チャンスはピンチ

「…ん。」


聞いた事のない甘い声を、僕は耳にした。僕の口の中でウィリアムの舌が悪戯に動き回るせいで、僕はさっきからすっかり蕩けてしまっていた。


初めてのキスから、初めてのディープキスはあっという間に繋がって、僕は一足飛びに性愛を経験している。ウィリアムの僕を抱きしめる、その逞しい腕や、筋肉質の身体が僕にその先を期待させた。



ウィリアムの大きくて分厚い舌が、僕の口いっぱいに押し込まれると、僕は何だか苦しいのか、気持ち良いのかクラクラする様なそれに疼く身体を彼に押し付けた。


すると僕の腹に何か異物感を感じた。それと同時に僕は自分のそれが痛いほど持ち上がっている事も自覚して、一気に恥ずかしくなった。



僕が怯んで身体を離す前に、ウィリアムは僕のお尻を両手で掴むとグッと自分の身体に押し付けた。そしてゆっくりと楽しむ様に自分の身体を揺さぶり始めた。


下腹に食い込む、ウィリアムの大きなそれは動く度に硬さを増していて、僕はドキドキとし過ぎて息も絶え絶えだ。


「…う、うぃりあむ、ぼく、…もうたってられないよ…。」


そう言って、甘える様にウィリアムの首に顔を押し付けた僕の身体は、ふいに浮き上がった。ウィリアムが僕をベッドへ連れて行ったんだ。



僕はいよいよ目眩く初体験だ、とドキドキ、ウキウキしていたけれど、ふと、心配になった。男を好きな僕は勿論、興味もあって後ろに指ぐらいは入れてオナった事は何度かある。


その度に痛くて全然良く無かったけど…。いや、そんな事よりあっちだ。綺麗にしなきゃダメだよな?ていうかその事に僕が気になって、集中出来ない気がする…。



僕の動揺に気づいたのか、ウィリアムが僕をじっと見つめて尋ねた。


「…どうした?やめたくなった?」


僕は慌てて首を振ると、顔を背けて躊躇いながら思い切って言った。


「あ、あの、後ろ綺麗にしないと…。その。僕経験がなくて良く分からないから、どうしたら良いのかなって。」


そう言うと、ウィリアムは僕をぎゅっと抱きしめて耳元で甘く囁いた。



「大丈夫、私に全て任せて。ハルマの初めてが素敵なものになる様に頑張るよ…。」


そう言って僕にもう一度貪る様なキスをした。僕は安心してウィリアムに縋りつきながらその甘い舌使いに溺れた。気がつけば僕は素っ裸でシャワーブースに連れ込まれると、備え付けの何か丸い大きめの錠剤の様なモノを一粒、後ろに入れられていた。


直ぐにお腹がムクムクと動いて、排泄感が襲ってきた。僕は隣の洋式に似たトイレでそれを全部出した。真っ白な泡の様なそれを出した後には僕のお腹は何だか凄いスッキリとしていた。



僕を待ち兼ねていたウィリアムは、いつの間にか脱いだのか思いの外マッチョな全裸を僕の前に晒すと、にっこり笑って言った。


「ハルマ、大丈夫だったか?さぁ、後は全部私に任せて。」


そう言って伸ばすウィリアムの手に、僕は大きく息を呑むと自分の手を預けたんだ。ああ、嬉し、恥ずかし、初体験が始まるよ~⁉︎

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