12. 大人のたちの相談会(1)
偽星を眺めているうちにいつの間にか眠ってしまって、起きたら部屋には誰もいなかった。
「……ニゲル?」
ベッドの隣は空っぽで、シーツもすっかり冷えている。
寝過ごしたかな?
窓を開けてみたけれど、厚い雨雲のせいで時間がわからない。でも明るいし、少なくとも夜ではなさそうだ。朝だよね?
また見回りに行ったのかな? 昨夜は「何も見つけられなかったから、明日また見回りに行くよ」と言っていたし。
「うーん? まいっか、ごはんごはん」
考えたところでわからなかったから、着替えてダイニングに向かうことにした。ニゲルも朝ごはんは食べるだろう。
ダイニングの近くまで行ってみると、ノヴァの声が聞こえてきた。いつもと違って元気のない、しょげた声だ。
「ママー? どこー?」
「ノヴァ、おはよう!」
駆け足になりながら大声を上げると、わたしに気づいたノヴァが勢いよく飛んできた。
「ステラさまー!」
「マレもいないの? オルドは?」
「のあ、ひとりぼっちなの……」
しゅんと眉尻を下げ、ノヴァがわたしの肩の上に乗ってくる。マレだけじゃなく、オルドもいないってことかな?
「昨日の夜、寝る前はマレもオルドも一緒だった?」
「うん」
「朝起きたら二人ともいなかったってことかな?」
「しょう……」
ニゲルと三人、どこに行ったんだろう? 首を傾げていたら、プルウィアが廊下の角を曲がってやってきた。
「こんなところで何してるのよ。朝食は? 行かないの?」
「それがね、朝からニゲルもマレもオルドも見当たらないの」
「ふうん……? でも、
「そっかあ。じゃあ、わたしたち三人で探そっか!」
わたしは両手の平をぱちんと叩き、ノヴァの喉を指で少しだけなでた。このお屋敷の部屋をまだ全部見ていないし、ついでに探検しよっと。
「ノヴァ、かくれんぼだよ。わたしたちで『みーつけた』しに行こう」
「ママ、かくれてるの?」
「きっとね。見つけたら、『わぁっ』って言ってびっくりさせちゃおう」
「『わぁ』するー!」
ようし、近くの部屋から順に見て回ろうかな。プルウィアの手を握ったら「あたしは行かないわよ」と言われてしまったけれど、気にせず引っ張ることにした。
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