1-12-12

「どういうことお姉ちゃん。意味わかんないよ。なんでもう帰ってこないかもなんて。ちょっと待ってお姉ちゃん」

はっ。何今の夢。

「あーヤバイ」

 時計を見た。私は絶望した。学校は8時35分から、遅刻になる。今は8時30分。間違いなく遅刻だ。周りを見ると、ドミレさん以外誰もいなかった。

話によると、ある事情で出かけているらしい。

 私はドミレさんに挨拶して家を出た。

「セーフですか?先生」

「もちろん。アウトだ。奏でも、お前が珍しいな遅刻なんて」

 私が着いたのは一限目を吹っ飛ばして休み時間だった。

「おはよ。奏珍しいな。遅刻なんて」

「おはよ。佐藤君。なんか最近疲れてるのかな?わかんないけど変な夢をみて遅れちゃった」

 彼は佐藤佳音君。定期テスト499点をという意味わからない点数を毎回とる。しかも一点はわざとミスっているんじゃないかと言われている。

 そんな佳音君は、私と話した後は、幼馴染らしい、井久保天(いくぼ そら)さんと話している。ん?天さん。最近学校以外であったことがある気がする。

「あーーー」

 私は声をいきなり出してしまったからか、周りが冷たい目でこちらを見ていた。

「ごめん。なんでもない」

 私は今恐ろしいことに気づいてしまった。

 そして、授業が始まった。

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