【WEB版】姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん! ゴミスキルとバカにされ続けた姉喰いギフトの少年、スキル覚醒し帝国最強七大女将軍を堕としまくる。
第64話 キスしたいマミカと愛を紡ぐクレアと初恋のアンナ
第64話 キスしたいマミカと愛を紡ぐクレアと初恋のアンナ
デミトリーの
「くらええええっ! 俺様最強剣技、
スキルを全開して制約を受けている筋肉を無理に動かし加速するデミトリー。筋繊維が多少断裂するのもお構いなしだ。
通常ならば、その突きでナツキは串刺しになっているだずだった。デミトリーの頭の中では。
「ボクの中でお姉さんたちを感じる。強く温かく伝説の英雄のようなオーラ。そうだ! 今ならやれる!
ぐにゃあああっ!
「なんじゃこりゃああああっ!」
ナツキが突き出した腕の先から青黒い触手が出現し、突進するデミトリーに絡みつく。
「まだだ! ボクの体が熱い! 力が溢れるように」
ダンッ!
踏み込んだ足腰にバトルオーラが流入する。
「行っっけええええええっ!
ズダダダダダダダダッ!
踏み込んだナツキの脚力が上がる。デミトリーの攻撃をかわし後ろに回り込んだ。
「輝けエッチ……じゃない、天使の光り!
速度を上げ体を倒し込みながら急旋回したナツキは、その体勢から眩い光りの光線を放つ。
シュバァァァァババババッ!
ドォォォォーン!
「ぐああああっ! 痛ぇええええっ!」
ドンッ、ズサァァァァ――
不意を突かれ直撃を受けたデミトリーが床に倒れ転がった。派手な悲鳴を上げながら。
「使える、お姉さんたちの力を使える。ネルねぇの言った通りだ。リンクした人の力の一部が使えるんだ。ボクのスキルはちゃんと役に立つんだ!」
ずっとゴミスキルと呼ばれてきた。剣にも魔法にも役に立たないと。役に立たないスキルは訓練の必要が無いと。
しかし今、ナツキは剣技レベル7の敵と渡り合えているのだ。
熱いものが込み上げているナツキだが、飛ばされたデミトリーは憤怒の形相で怒声を発した。
「て、テメェ! クソッ! クソッ! クソッ! クソがああああああああ! 許さねえ。もうぜってぇ許さねえ。この俺様をコケにしやがって。俺はなぁ、格下相手にコケにされるのが一番腹が立つんだ。テメェは俺を怒らせた。もうぶっ殺してやんよ。俺様の方が強ぇえのを分からせてやる! このバカガキがああっ! オラアアアアッ!」
ぶちまけたデミトリーだが、ナツキは落ち着いている。まるで、全て計画通りのように。
そして、そのデミトリーの後ろから笑いが起こる。
「あははははっ! あっはははははっ! バカはあんたでしょ」
突然割って入った女の笑い声に、デミトリーは何が起きたのか理解していないようだ。
「はあああっ! な、なんだ? マミカか?」
そう言ったデミトリーだが、振り向こうにも首が全く動かない。
「んがぁ、な、何だこりゃああっ!」
「まだ分からないの? ホントあんたってバカよね。今、あんたが立っている場所を見てみなさいよ! それ、ナツキに誘導されて、その位置に飛ばされたのが分からないの?」
「は? はああああ!? ま、まさか……」
「スキル
「うがああああああっ! ち、ちくしょおおおおおお!」
怒りの声は出せるのだが、デミトリーの体がピクリとも動かせない。
「あはははははははっ! バーカ! バーカ! あんたがナツキより格上? そんなわけないし。ナツキの方がずぅ~っと、ずぅ~っと強くてカッコイイんだし! 超好きなんだし!」
あんなに好きだと認めるのを恥ずかしがっていたはずなのに、今は『超好き』と言っているマミカだ。もう本音が漏れまくっている。
「分かったのならザコはザコらしくやられてなさい。アタシを殴ったのを一生後悔するのね! ナツキ、やっちゃいなさい!」
「はい、マミカお姉様! ボクの大事なお姉様を殴るなんて許せません。やっちゃいます」
ズン、ズン、ズン――
やる気満々で近付くナツキに、デミトリーが怯えた表情になる。さっきまでの威勢は何処へ行ったのやら。
「ひぃぃぃぃ~っ! やめ、やめて、ごめんさい。そ、そう出来心なんです。そ、そうだ、かか、金をやるよ。いくら欲しい? あ、ああ、あと女はどうだ? なっ、見逃してくれよ。女なんか、いくらでも代わりはいるだろ」
「デミトリーさん、あなた最低です。代わりなんていません! マミカお姉様は、この世界にたった一人の大切な存在です!」
「な、ナツキ……ううっ、ぐすっ、嬉しい……」
ナツキの言葉でマミカの頬に熱い涙が零れた。
「ひぃぃいいいいいぃぃ~っ! おお、俺が悪かった! こ、この通りだ。金はいくらでもやる! おおお、俺を見逃してくれ。いや、ください。お願いしますぅぅぅぅ!」
無様に醜態を晒すデミトリー。散々イキり散らしていたのに恥ずかし過ぎる。
「ボクは金の為に戦ってきたんじゃない。心優しい人たちが悲しむような世界を変えたくて……人々が笑って暮らせる国にしたくて……大切な人たちと穏やかな気持ちでいられる世界にしたいだけなんだ」
ナツキが短剣を掲げると、その周囲に冷気が集まってゆく。
「シラユキお姉ちゃん、力を貸してください」
ナツキがそう言うと、何処かでシラユキが笑った気がした。『ふふふっ、ナツキ、ぐっじょぶ!』っと空で輝く感じに。
「行きます!
「行っけええええええええっ! ナツキぃぃぃぃ!」
ナツキとマミカの声が揃う。パーティーでは協力プレイが大事だ。以前、彼女がそう言ったように、ナツキとマミカの強力プレイで一撃を加える。
「やめっ、やめろぉおおおおおおっ!」
ズガアアアアアアアアァァァァアアアアーン! ドンッ! ドカッ! ゴロンッ! ズダアアアアーン!
彼の敗因は、士官学校時代の憧れマミカ女王を、自分の女にして乱暴しようとした身の程知らずなところだろう。結果、ナツキとマミカを怒らせたのだ。
「お姉様! だ、大丈夫ですか?」
「ナツキぃぃ~」
戦いが終わり、ナツキは真っ先にマミカのもとに駆け寄る。すぐ両手足の枷を外して抱き寄せた。
「マミカお姉様!」
「うえぇ~ん、ナツキぃ♡」
「おそくなってごめんなさい」
「ううん、来てくれて嬉しい。うわぁん、嬉しいよぉ」
ナツキの腕の中でマミカは子供のように大泣きしている。以前の彼女なら人前で泣いたり弱いところを見せるなどなかっただろう。
世間の目や悪夢から自分を守る鎧を脱いだ今のマミカは、もう誰の目も気にせずナツキに甘えられるのだから。
「ナツキぃ、もう離さないしぃ♡」
ぎゅうぅぅ~っ!
「お、お姉様……苦しいぃ」
「き、キスしてくれないと離れないし♡」
「き、ききき、キスぅ!」
「ほらぁ、ちゅぅー♡」
マミカのくちびるが迫り、あと数ミリで初キッスとなる瞬間、後ろから高らかな良く通る声が響いた。
「おーっほっほっほっほ、おーっほっほっほっほ! わたくしの勝利ですわ! 愛ですわよぉーっ!」
どうやらクレアの方も終わったようだ。気絶した親衛隊五人を山積みにし、その上に裸で座ってポーズをキメている。
その姿は、まるで少女たちの上に降臨した天使の絵画のようで――
「ボクは見たんだ……降臨する天使の絵を」
クレアのせいでナツキまでおかしな発言をしてしまう。
せっかくの、ナツキのファーストキスを奪うチャンスを邪魔され、マミカがキレ気味になってクレアの方を見る。
「ちょっと、なに邪魔してんのよ! せっかく良い感じだったのに……てか、何で裸!?」
今頃になって気付くマミカ。まさか、公衆の面前を堂々と裸で歩く女がいるとは思えないだろう。露出度高めのマミカでさえ、裸で外を歩くなど考えられないのだから。
勝ち誇ったクレアがナツキの方へと歩く。もう何も隠していない。
「うふふっ♡ わたくしとナツキさん、愛の勝利ですわね♡ そして二人は結ばれ、新たな物語を紡ぐのですわぁぁー♡」
「あ、ああの、クレアさん、み、見えてますから」
やっぱり眩し過ぎてエロ過ぎて直視できないナツキだ。
「こらぁああああっ、クレア! なに、アタシのナツキに悪影響与えてんのよ!」
マミカを救い出し、一件落着かと思いきや、この一連の戦いを見ていた人物がもう一人いた。
「ううっ……うわあぁ……ゆ、勇者さま。余を救い出しに来てくれた伝説の勇者さまぁ」
隠し部屋になっている玉座奥にある個室。そのドアの隙間から見ている少女が一人。
そう、至高にして神聖不可侵の存在、ルーテシア帝国第35代皇帝アンナ・エリザベート・ナターリヤ・ゴッドロマーノ・インペラトリーツァ・ルーテシアである。
「はあぁ……これは神の
侍従長が止めるのも聞かずドアの隙間からナツキを見つめるアンナ。ちょと、いやだいぶ面倒なことになりそうな予感だ。
遂に囚われの皇帝を救い出すことに成功しそうなナツキ
――――――――――――――――
やっとマミカを助け出したナツキ。早くクレアに服を着せないと。
そして、勇者の降臨を見てしまったアンナは……。
もし少しでも面白いとか、先のラブコメ展開が気になるとか思いましたら……もしよろしければフォローや★を頂けるとモチベアップになって嬉しいです。たとえ星1でも泣いて喜びます。いいねやコメントやレビューもお気軽にどうぞ。
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