STEP4 【物品にかける税の最後の一手】
物品のかける税、これをきちんと機能させるための最後のピースは、「脱税を捕捉できるか」「脱税を捕捉した場合の刑罰をどうするか」です。
どんなに高率な税をかけたとしても、容易に脱税されてしまっては税収は上がりません。
たとえばかつて茶に高率な税をかけようとした国がありました。脱税行為は死罪です。しかし、茶は比較的どこでも生産できます。国営の問屋を介したものでなければ販売不可としていても、闇取引が盛んに行われ、運悪く発覚した者は見せしめに死罪とされましたが、生産量をごまかされて闇に流れる茶葉は後を絶たず、政府品=高くて質が悪い/闇品=安くて良質、となってしまうに至って、この制度は破綻しました。
物品にかける税は、課税する物品の選択、税率を誤ると、結局、失敗します。
税率が高ければ脱税の動機が強くなり、低ければ脱税の動機は弱くなりますが、徴税のための人件費など、制度運用コストを上回る税収が見込まれるかを見極める必要もあります。
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