空洞

月日が経って振り返る

どうにも出来なかった過去を空想する

それはもっと前の話

僕が僕たらしめる事になったあの日の話


「全てを失う」という事を知らなかった純粋さ

故に受け止めきれない現実を

飲み込むしか無かったのさ

飲み込み方も知らずにさ


誰かが味方で居てくれたら良かった

共に泣いてくれる誰かが居てくれたら良かった

誰も僕のか弱い声を代弁してはくれなかった

その癇癪を汲み取ってくれる大人は居なかった


時は僕を置いていく

変わってく風景、知らず決め行く未来

大人は今でも僕をレールに乗せたがる

しかしその道外れたのは貴方達なんだぜ


過ぎ行く日にたらればは積もる

傍に居たかった人

居て欲しかった人

もう二度と会えなくなった人


出会い別れを繰り返した曇天の今日

全て僕のせいだと言い聞かせてきたけれど

そこにはどうしようもなかった昨日があった

それを認めなきゃ僕は前に進めない


不完全なまま今日を迎えた

「未熟」だと言われ雑踏に迷子

「幼稚」という言葉は全てを否定し

「恥」が自己肯定を虐げた


孤独戦線ってのはそんな僕の最後の行き場所

誰にも理解されぬ感情を大事に抱えて

「そんなの捨ててしまえ」って人は言うけれど

嫌いたくても嫌い切れない過去は捨てられない


それを誰かは「幼稚」だと笑うのだ

所詮誰かの傷は他の誰かには理解出来ない

一生埋められないその穴はあまりに大きく

生涯独りの僕たる所以の致命傷

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