知らない顔だ。お爺さんも顔を微笑ませながら、歩いてきて私の隣に座った。お爺さんに聞いてみた。 「ほーっほっほ、儂も長いこと生きてるからな。八十 年を過ぎてしもうた。やはり色々あったもんじゃ! 人間とは悩んで、悩んで、大きくなっていくもんじゃ!」 川は緩やかに流れを作っていた。川幅は十メートル程の小さな川だ。実は、お爺さんのいう通りなのだ。私は仕事で悩んでいた。いや! 仕事の事だけではない。人生についても悩んでいた。更に病気についても 、どうしてこのお爺さんに解ったのだろう? そんなに悩んでいるような顔をしているのかな。私は自分の顔を両手でパンッとひと叩きした。

「何か、感じますか?」

 ーー子供たちは良いもんじゃな~~――

 私の横で、呟いた。そして誰にともなく、話始めた。

「儂はな、天気のいい日はここに来ている。元気な子供たちを見ると、儂も生きている実感が湧くんだよ!  見たところ貴方は会社員の様だが、何か悩み事でも有るかな?」

 

  ーーえっ!  何か感じるのかな……?

 

 実は、お爺さんのいう通りなのだ。私は仕事で悩んでいた。いや!  仕事の事だけではない。人生についても悩んでいた。更に病気についても 、どうしてこのお爺さんに解ったのだろう?  そんなに悩んでいるような顔をしているのかな。私は自分の顔を両手でパンッとひと叩きした。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る