Ⅱ
知らない顔だ。お爺さんも顔を微笑ませながら、歩いてきて私の隣に座った。お爺さんに聞いてみた。 「ほーっほっほ、儂も長いこと生きてるからな。八十 年を過ぎてしもうた。やはり色々あったもんじゃ! 人間とは悩んで、悩んで、大きくなっていくもんじゃ!」 川は緩やかに流れを作っていた。川幅は十メートル程の小さな川だ。実は、お爺さんのいう通りなのだ。私は仕事で悩んでいた。いや! 仕事の事だけではない。人生についても悩んでいた。更に病気についても 、どうしてこのお爺さんに解ったのだろう? そんなに悩んでいるような顔をしているのかな。私は自分の顔を両手でパンッとひと叩きした。
「何か、感じますか?」
ーー子供たちは良いもんじゃな~~――
私の横で、呟いた。そして誰にともなく、話始めた。
「儂はな、天気のいい日はここに来ている。元気な子供たちを見ると、儂も生きている実感が湧くんだよ! 見たところ貴方は会社員の様だが、何か悩み事でも有るかな?」
ーーえっ! 何か感じるのかな……?
実は、お爺さんのいう通りなのだ。私は仕事で悩んでいた。いや! 仕事の事だけではない。人生についても悩んでいた。更に病気についても 、どうしてこのお爺さんに解ったのだろう? そんなに悩んでいるような顔をしているのかな。私は自分の顔を両手でパンッとひと叩きした。
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