リメンバー!
淡雪 隆
Ⅰ リメンバー!
淡雪 隆
〈私の頭の中で、そう、脳の中で、ガラス細工の珠が、暗闇の中で落下をして、床に落ちて砕けて弾けた。頭痛が激しくする。・・・?〉
※ ※ ※ ※
初秋の吹く風も頬に心地よい、川沿いの道路上で西に傾こうとする太陽の 日差しを浴びながら、長男と二人で散歩をしていた。私は
ーーもうそんな季節になったのか・・・ーー
道のそばには、川原に続く土手があった。川の流れにそって、河川敷に小さな広場がある。そこで小学生だろうか、みんなでサッカーをしていた。子供たちは元気よく一つのボールを追いかけていた。私と新吾は、近くにあった階段を下り、河川敷に降り ていった。草むらに放り出された、ランドセルやバッグ等が散らかっているその横に、雨ざらしの為に黒く変色したベンチがあった。腰掛けようと思ったが、あまりにも汚いので、持っていたハンカチを二枚広げ新吾と二人で座り込み、子供たちの サッカーを眺めていた。新吾は、身体を左右に揺らし、一緒に遊びたい様子だったが、五歳ではまだ仲間に入れてもらえないだろう。元気に仲良く遊んでいる子供たちを見ると、私は心が和んだ。微笑ましい気持ちよさだ。 まだ小学生だ、 〈キャー! キヤーッ! キャー!〉 と、絹を切り裂くような高い声が、川原に響いた。そんなとこに、お爺さんが何処からともなく現れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます