5月(その3)
予防接種が済むまでは散歩など公道へ出せないが、かといって一日中ずっと屋内へ閉じ込めておくわけにもいかない。
特に最初の頃は現在ほど食欲旺盛でもなかったので、朝昼晩の食事の際、お腹を
そのため毎日、犬と庭で遊ぶ。少なくとも一日三回、場合によっては一日数回。私あるいは父の片方だっり、両方だったりで犬の相手をする形になった。
一軒家の庭先でも、子犬から見れば十分に広いスペースのはず。そこを駆け回るのは嬉しいだろうし、そもそも人間と一緒に遊ぶだけでも楽しいのだろう。本当に幸せそうに、ピョンピョン跳ね回っていた。
そう、まさに「ピョンピョン」という感じだ。歩くならば左右の足は交互に出すわけだが、走る時は左右の足を揃える格好だった。まだ赤ちゃん体型で丸っこいこと、体毛が茶色系なことも合わせて、まるで野ウサギみたいに思えた。
もちろん、犬らしい部分もあった。
例えば、柔らかい土の部分を掘って遊ぶ。「ここ掘れワンワン」という言葉があるように、犬の本能的な習性なのだろう。
また、ゴムボールを咥えて走ったり、布製の円盤おもちゃで遊んだりというのも、私がイメージしていた「犬と遊ぶ」そのものだった。
つい私も一緒になって庭を走る場合もあり、スマホの歩数計を見たら、外出以外に家の庭だけで三千歩か四千歩くらい動いた計算になる日もあったほど。
少し前まで「横になっていないと」と言っていたくせに、犬のおかげで良いリハビリになっていたようだ。
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