第21話 強風の原因

「おじさん、なんで水がないんですか?」


「それがね、南側にあるメサ地帯から強い風が吹いてきていてね、そのせいで砂が舞ってオアシスがつぶれちゃったんだ……。」


確かに来るときも風が強くて砂舞っていたね。


砂漠だからよく発生するものなのかと思っていたけどそういうわけではないってことか。


「嬢ちゃん、もしよかったら原因を探ってもらってもいいかい?」


『クエスト:メサ地帯の調査 強い風の原因を探れ!』


お!クエストが出てきた!初めてのクエストです!


「はい。わかりました。ここから南のメサですよね?」


「そうなんだ。よろしく頼むよ。」


ということでクエストに向かうことにします。


ていうか砂でオアシス埋まっちゃったんだったら風止めてもオアシスは復活しないと思うけど……。


まあゲームだからそこのところは甘いのかもしれないね。


ささっと片付けて報酬たんまりゲットしていこうと思います!





ということで早速南のメサ地帯へ向かいます。


カロイの町から見たら南東だったけどこのオアシスだったところは町から東に来たところにあるから南ってことだね。


『超加速』を使いながら爆速で砂漠をかけていきますよ~。


もちろん先ほど買ったゴーグルをしっかり着用して安全第一にね、行きたいと思いますはい。


ちなみにそのメサへの距離なんだが実は相当離れていてカロイの町からオアシスだったところまでの軽く4倍近くの距離はあると思う。


しかもそのメサの範囲がなかなかでかくて探索するだけでも一苦労。


これやばいクエスト受けちゃったかもしれない。


クエストは別に放棄しても何の問題もないんだけど多分このクエストは1回しか出ないクエストだと思う。


風止んだらほかの人に同じクエストを出すことはできないからね。


すなわち!すなわち!!報酬にはレアなものがもらえる可能性が高いということ!!


放棄するなんて言うバカみたいなことはできないわけだ。


(うぉおおおおおおおおおお!!!)


砂が舞っていて口に入るのは嫌なので心の中で叫び声をあげるぜ!


めちゃくちゃ砂舞ってるけど正直結構行くのは楽だったりする。


この風の影響か知らないけどほんとにモンスターがいない。


だからいちいち戦闘にならないので結構早く着きます。


(ていうか強い風を起こすものってなんだ?ドラゴンが羽でぱさぱさやってるとか?まあ今気にしても着いたらわかるか。)




結構進んだ。


なんかメサに近づくにつれて風が強くなっている。


近くにきて分かったのはこの風がメサから吹いているのではなくメサに向かって吹き込んでいるということだ。


メサに向かって吹き込んでいるというのはどういうことだ?


そう考えているとメサが見えてきた。


そのメサは真っ赤な炎を出して燃えていた。


(そういうことか!だからメサに向かって風が吹いていたんだ!!)


メサについて分かったことは大きなメサの中心部に森林が生い茂っていることだ。


マップでみたときに実はメサの真ん中のところにもオアシスっぽいものがあった。


そのオアシスの周りには結構ほかのところより緑が生い茂っているように見えた。


今回はその木や草が燃えてしまったということだろう。


山火事とかが発生すると上昇気流が発生するというのは広く知られていることだ。


つまり、今回の場合はこの火事によって上昇気流が発生し、メサに向かって空気が流れてきていたということだ。


今回のクエストは原因を探ることなので正直ここでクエストは終わりだろう。


ほらでた!


『クエスト完了、戻ってガロルにこのことを伝える。』


あの人ガロルって名前だったのか


多分これを解決するっていうクエストは出ないと思う。


木とか草とかが燃えきったらこの風は勝手に止むだろう。


さっさと戻っておじさんに原因を伝えよう。


そして私は報酬をゲットする!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る