第22話 ワーム

元オアシスへの帰還中


ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


大きな音を立てながら地面が振動し出した。


(なんだ?)


「うぉっ!」


すると立っていた地面が大きく膨れ上がってモンスターが出てきた。


「ワームだ!」


サイズがとにかくでかいワームが出現した。


とにかく口がでかくて気持ちが悪いし色も気持ち悪い。


最悪な見た目をしている。


ワームは大きく頭をグルんグルんしている。


何がしたいのか目的が読めないがそういう習性なんだろう。


(私昔から虫って無理なんだよな。できれば戦いたくないけど……。)


以前車イスで病院の中庭に行ったことがあったのだが、そこで私はちょうちょと遭遇した。


その時に不可解な動きをし、見た目が極めて気持ちの悪いちょうちょがただ怖く感じた。


まあでもこの状況はそんなこと言ってられないだろう。


明らかに戦う気満々だもんあのワーム。


「さっさと倒して早く元オアシスに帰ろう。」


ユウヒは高く飛んで『空中ジャンプ』を使って空中ででワームに向かって向きを変える。


双剣を引き抜きワームの横を通り過ぎる時に切りつける。


すると切りつけたところから緑色の液体が垂れてきた。


「ゔぉえっ……。マジで気持ち悪い。ゔっ!」


吐き気がする。


いくらゲームだからと言ってホントに虫は無理なんだ。


2度目の攻撃をする勇気が持てずその場に立ち尽くしていると、今度はワームのほうから仕掛けてきた。


ワームは地面から出てきたように頭をグルんグルんと回してユウヒに向かって突進してくる。


ユウヒは再び地面を強く蹴って高く飛び跳ねる。


「ずっとこうやってても終わらないよな。さっさと終わらせよう。」


あ~~~、いやだぁ~~~……。


向きを180度回転させてワームに向かって思いっきりアタックする。


双剣を頭の上に持ってきてドリルのようにワームに突き刺す。


突き刺したところから再び緑の液体が流れ出てくるが気にしない。


今度は横側に跳んでスキルを使ってワームに横から仕掛ける。


勢いをつけてワームのでっかな胴体を蹴りつけ、『投げナイフ』を使って双剣でも攻撃する。


ワームは50mほど飛んで行ってそこでぐったりと倒れこみ、消滅した。


「はぁ……。最悪だ。」


体中に緑色の体液がまとわりついていて気持ち悪い。


ユウヒは水の出る魔道具を取り出して体を洗浄する。


ほんとにこれがなかったら砂漠で生きていけないかもしれない。


体液を流していくのだがここは砂漠でしかも強い風が吹いている。


跳んできた砂が水にぬれた部分に張り付いてしまってこれもまた気持ちが悪い。


「はぁ……、まあこれに関してはどうしようもないし走ってるうちに渇いて飛んで行くはずだ。」


それより今は体液を洗い流すことが最優先だ。


10分ほどかけて入念に洗い流した。


体中に砂がまとわりついていて、もし今この状態を見られたらUMAと勘違いされちゃうかもしれない。


まあこんな砂嵐の中来るようなもの好きはいないので結局人と遭遇することなく元オアシスに到着した。

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