第20話 Newオアシスへ

じゃあオアシスへ向かいましょう!!


ちなみに今いるこのカロイの町から一番近いオアシスはここから東に少し行ったところにある。


少しって言ってもそこそこ離れてる。


まあ『超加速』を使えばすぐ着く。


たらたら行ってもいいけどラクダに会うのは嫌なのでささっと超加速を使っていきます。


すごい勢いで砂漠をかけていく。


よくあるアニメみたいに走ったところの砂がめちゃくちゃ高く舞うとかいうのはないです。


普通に走ります。


「にひー!おほー!やってるねー。ぷぷぷっ。」


昨日の私のようにプレイヤーがラクダに絡まれている。


可愛そうに。


ていうかラクダに絡まれている人見るとマジで哀れだ。


にやにやが止まらないよ!




そういえば、私の砂漠のイメージって草木も生えない砂地っていうイメージだけどところどころに草は生えている。


まあ1層で見たような草とは違って茶色っぽい小さな草だったりサボテンだったりっていう感じ。


カロイの町のオアシスの周りには結構緑が茂っているから今向かっているオアシスにも緑が多いはずだ。


すると、ユウヒは何を思ったのか振っていた腕を両方とも後ろにやって姿勢を低くする。


「ナ〇ト走り~、あだっ!」


なれないことをしたので哀れにも頭から転んでしまった。


高速移動中に急に体勢を変えたらまあこうなるだろう。


「いでで。ふぇぇ、ああじゃりじゃりだ。口がぁ!!砂がいっぱいついてしまった。そんなときは~!てっててーん!水が出る魔道具~。」


何か青色の生物の物まねだと思うが少し声を濁らせて言った。


正直似ていない。


「さあ、魔力を通して、これ服びしょびしょになっちゃうよね。まあ走ってるうちに渇くか!」


まずは顔を洗って口を漱いで汚れたところをささっと流して先に進む。




「いや~、景色変わらないね~。」


あれから10分ほど走った。


距離としては結構来てるはずだけどここら辺は起伏が激しいので先がよく見えない。


それに先ほどから砂が多く舞っているので見通しも悪い。


自分の場所がわからなくなるのでマップを開きながら進んでいる。


一応この向きで合ってるようだ。


「それにしても全然見えないな。あでっ!また目に砂入った~!!!」


先ほどからちょくちょく目に砂が入るのだ。


そういえばカロイの町でゴーグルたくさん売っていたけどこのためだったのか。


ちくしょー!買っておけばよかった!!


(さすがにすべての砂をよけながら進むのは無理だ。できたらすごい。う~、どうすれば。)


これ目に砂入るとちょっとだけHP減るんだよね。


マジでうざい。


「あ!!コホッコホッ!ア"ア"!!口の中に砂が!!」


(これしゃべっちゃいけないかもしれない。で、思いついたことはこれ!!)


そう心の中でつぶやいて取り出したのは先ほど買った水出す魔道具。


(これをいい感じに取り付けて!できた!!)


ジャーーーーーーーッ!


完成!!頭の上から水を垂らしてガードにすれば簡単に砂を防げる!私頭いい!!


(じゃああとちょっと頑張りますかね!)


「GO!!!!」


そういって走り出したのだが……、


「ぼぼおぼっぼおぼぼおぼおッ!!はあ、はあ、これはいけない。顔に水がまとわりついてろくに走れない……。なんかいい方法は……。」


まあないだろうな。


あとちょっとの辛抱だから頑張って走ることにした。




まああれから結構走りました。


目に砂が入っては止まって洗い流し、また砂が入って洗い流しの繰り返し。


おじさんの助言通りにこの魔道具買ってなかったら多分今頃町へ戻っていると思う。


砂はやっぱり舞っている。


なんならちょっとづつ強くなってる感じする。


前がほんとに見えないので気が付いたらオアシスについていた。


そうして頑張ってついたオアシスはオアシスとは呼べないものだった。


「え、水がない?あ、おじさんゴーグルください!」


水がなかったのだ。


あ、話の途中ですみません……。


さすがに目がつらいのでゴーグル買いました。


マジで便利。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る