第19話 私と看護師
「夏凪さん、最近楽しいことでもありましたか?」
このお姉さんは私の看護師さんです。
小さい頃からよく部屋にきてはお話し相手になってくれていました。
「わかりますか?」
「はい!以前より目に輝きがありますから!」
目に輝きって・・・・・・、
「以前の私ってそんなにひどかったですか?」
「はい。正直に言ってひどかったです。常に目からハイライト消えていましたし、なんというか心がそこにいないような感じでした。」
「えぇ・・・・・・。まあでも確かに日々に楽しさが見出せなかったのはそうですね。起きて薄味のご飯を食べて寝る。さすがにその生活がずっと続いていたら生きた心地はしないでしょう。」
「ですが最近の夏凪さんは目に輝きが戻りました。お医者さんも見違えるほど元気になっているとおっしゃっていましたよ。やっぱりそのVRMMOのゲームですか?」
そういって看護師さんはいつもゲームをするときにつけている機械を見る。
「まあそうですね。あの中だと自由に動けるんです。友達だってできます。以前は寝る時に楽しさなかったですけど今は明日が楽しみで仕方ないですよ。ほんとに出会えてよかったです。」
「それは、よかったです。」
そういって少し涙を流す看護師さん。
多少は驚いたけどそろそろ出会ってから10年ほど立つでしょう。
自分を気にかけてくれる人がいるということはやっぱりうれしい。
「ちなみにそのゲームっていうのはどういうゲームなんですか?」
「ファンタジーゲームです。新しいこことは違う世界にいって冒険をしたりするゲームです。」
「冒険・・・・・・ですか。私も最近旅行とか行けてないですからやってみたら面白いかもしれませんね。」
「やるときは教えてください。もしよかったら一緒にやりましょう。」
「はい!」
ということでゲームの世界に戻ってきました。
今日は近くのオアシスまで行ってみることにする。
近くって言っても距離はそこそこある。
普通に歩いて2時間くらいの距離だけど『超加速』をつかったら結構早くつけるはず。
昨日のことを思い出して町でちょっと水を買っていくことにする。
「いらっしゃい!!今日は何を買うのかい?」
「えっと、水が欲しいんですけど。」
「水ね。だったら嬢ちゃん。魔道具とかいらないかい?」
「魔道具?」
「そうだ。魔法使いじゃなくてもその道具があればある程度の魔法が使えるんだ。」
「それはどんな魔道具ですか?」
「ああ、これはよくある奴で水を出すだけのやつだ。嬢ちゃん水が欲しいって言ってたから、よかったら買ってってくれ。」
「わかりました。ではこれ、いただきます。」
魔道具の近くに小瓶を見つけた。
「おじさん、これってポーション?」
「そうだ。回復のポーション。これもいる?」
「はい。10本お願いします。」
いい買い物をした。
ポーションは10本買っても意外と安かった。
私の効率化を駆使したら結構すぐ集まるような値段だった。
この前死にかけたからポーションストックしておきたかったんだよね。
とりあえず魔道具ちょっと使ってみましょうか。
えっと、おじさんが言うには普通に魔力を込めるイメージでって言ってたけど、私魔力とか感じたことないぞ。
「まあとりあえずやってみるか!!」
魔力のイメージ?ほんとにわからないんだけど。
「えいっ!」
ドバーーーーッ!!
「わぁあ!!出た!!ほんとに出たぞ!!」
いや、でなかったら不良品だろう。
なんか魔力を通すイメージをしたら体から何かが吸い取られるような感覚になった。
魔力を通すイメージはなんか体の芯からドバババーって感じ。
分かった?
でも私魔力ってあんまり強化してないんだけど今いくつだ?MP。
「えっと、1460MP・・・・・・。意外と高いな。」
最大値は1465MPだったからこれは5MPを使って水を召喚するみたいだ。
汚れを洗い流す以外にもこの魔道具の使い方を考えたいな。
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