第9話 ギメナ山脈

早速森についた。


ここからはもちろん森なので木が生い茂っている。


そこを跳躍を利用しながら通り抜けていく。


枝から枝へぴょんぴょこぴょんぴょこと飛んで行く。


「うひょー!」


このスキルのおかげで相当移動が楽になった気がする。


結構森の中にはモンスターがいて、私のことを見てくるものも多い。


しかし、場所が場所なので襲ってはこない。


ていうか木の上まで襲ってこられたら困りますけどね。


「スキル『空中ジャンプLv1』を獲得しました。」


「おお!空中ジャンプ!?」


とまってスキルの詳細を確認する。


「ふむふむ、空中で1度だけジャンプが可能になるのか。で、このレベルというのは?」


今回獲得したこの空中ジャンプとかいうスキルには、今まで獲得したスキルにはなかったLv機能が付いていた。


Lvの最高値はスキルによって異なるみたいで、今回手に入れたこのスキルの場合の最大値は5、Lvが1上がるごとに空中でジャンプできる回数が増えていくようだ。


Lv1だったら1回だけで、Lvが5だったら空中で5回ジャンプすることができるのだ。


しかも、このスキルは跳躍との組み合わせも可能であり、非常に強力なスキルになるだろう。


明らかに機動力が変わる。


「ほほー、これはラッキーだ。早速使ってみましょう!」


跳躍で高く飛んで空中でジャンプをしてみた。


「おお!飛べる!飛べるぞ!!」


一度地面に戻り、もう一度使ってみるのだが、今度は空中で向きを変えてみる。


まずは上にジャンプをし、空中で体を90度ひねってスキルを発動してみる。


そうすると向きがしっかりと変わった。


「これはうまく使えば戦闘にもしっかり生かせるかもしれない!!ちょっと練習しながら行こう!!」




「これがギメナ山脈か......、でかいな。」


しばらくして、山脈に到着した。


新しいスキルを練習しながら向かっていたらすぐついたのだが、遠くから見ていた時に想像していたものより明らかに高かった。


ちなみにスキルのレベルは1上がった。


まあ、結構遠くから見ていたし、下のほうは森で隠されているということもあって小さく見えていたのだ。


「こりゃ超えるの大変だ。」


この山脈の超え方は、山道に沿って歩いて行くだけという極めてシンプルなものなのだが......。


「もうすでにやばいのが見えてるぞ。」


ここから見えるだけでも強そうな見たことのない魔物がいっぱいいた。


今までは獣をモチーフにした魔物だったが、ここからはゴブリンやオークなどの魔物も出てくる。


「双剣ちゃんよし!くよくよしてないでさっさと行くぞ!!」


山道は凸凹しており、道も細く歩きにくい。


傾斜もつらいし、さらにそこにモンスターも出てくるというのである。


普通のプレイヤーなら疲れて途中休憩を入れながら行くはずだし、ゲーム側もそれを想定してところどころにキャンプスポットのようなところを用意していたのだが......。


効率化スキルは極めて恐ろしいスキルである。


疲れなど感じるはずもなく大きく腕を振りながらルンルンと山を登っていく。


「おっ!早速第一村人ですよー!ムムッ、これはゴブリンですねー!!」


いかにもなゴブリンである。


緑色でつるつるした頭が特徴のモンスター。


武器はこれまたテンプレのこん棒である。


「ふん、数は3体ですか。私の双剣ちゃんの実力と、練習した新スキルの実力!試そうではないか!!」


さっそくスキルを使って斜め上に跳び、空中で向きを変えてゴブリンに向かって跳んで行く。


近くに行ったら双剣ちゃんでゴブリンの首を刎ねる。


「おお!スパって切れたスパって!!これはすごいぞ!!」


地面に着いたら左右から近づいてきた残り2匹のゴブリンをそれぞれの双剣で切り捨てる。


一気に複数の敵の対応ができるのも双剣の強みである。


あっという間にゴブリン退治は完了してしまった。


「双剣ちゃんマジで強いなこれ......、私変に片手剣とかそういう系の選ばなくてよかったな。」


片手剣だったら一気に2匹を裁くというのは練習次第ではできるのだろうけど、少なくとも今の私のプレイスキルでは厳しいだろう。


しかし双剣は短剣を2本使用するのでそれが意外と簡単にできるわけですね。


「これ双剣もやばいけどさっき獲得したスキル、これもやばいな。マジで既存のスキルと相性が良すぎる。」


この戦いでは使わなかったが投げナイフのスキルと合わせて空中からひたすら攻撃するとかそういう戦いもできるかもしれない。


「このスキルのレベル上げも頑張らないと!」


Lvを5にしたらいろんな戦い方ができるようになるはずだ。


「んひひ......。」


想像しただけで思わず笑みが漏れてしまう。

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