第48話御前会議
御前会議当日、僕は朝早くにおき、身支度を整える。
ふー朝風呂は気持ちいい。
涼子さんが裸になり一緒に入り、体の隅々まできれいにしてくれる。
涼子さんの体は染みひとつなくきれいでさわり心地は抜群ですぐにエッチな気分になる。
でも今日は特別の用件があるのでそれはぐっと我慢だ。
「帰ったらたっぷりと愛してくださいね」
僕の大事なところを丁寧に洗いながら涼子さんは言う。
髪の毛を乾かし、毛先を整えるためにハサミをチョキチョキといれる。
髭を剃り、眉毛の形も整えてくれる。
「またハンサムがあがりましたね」
鏡に写る僕の顔を見ながら涼子さんはうっとりした表情でいう。
この人もひいき目がすごいんだよな。でも涼子さんのおかげて少なくとも清潔感がある顔になったと思う。
人に会うのに清潔感は大事だよね。
お風呂を出て、僕は麻季絵さんの朝食を食べる。朝食は消化のよいお粥を用意してくれた。中華風のお粥であっさりしているのにしっかり味がついている。体中に栄養がしみこみ、元気が出てくる。
皆も同じものを食べる。
「豊久殿、今日は全員でいくのが良いと思うのじゃ」
ずずっと中華粥をすすりながら沖ノ秋菜は言う。
「どうしてですか、お師匠」
麻季絵さんが僕のかわりにきく。
「ふーん、嫌な予感がするとしかいえぬの。夜にサングラスをして景色を見るようにはっきりとわからぬのじゃがのう」
かすかな膨らみの胸の前で腕を組み、沖ノ秋菜は言う。
「ボクも沖ノさんの意見に賛成かな。慎重にいって損はないと思うよ」
白も賛成する。
「マスターは私が何があっても守ります」
愛用の警棒を拭きながらみゆきさんは言う。
僕は沖ノ秋菜の意見を取り入れ、ここにいる全員で御前会議が行われるという花の御所に向かうことになった。
僕はみゆきさんの運転するSUVに乗車することにした。助手席に白、僕の左右にあやの先生と涼子さん。左右に美女がいてうはうはだ。
麻季絵さんが運転する車には沖ノ秋菜と小豆春風さん、明日香とキララが乗る。
この国の権威の象徴である聖天子陛下が住まわれる花の御所は僕の屋敷から車で三時間のところにある。
古い建物が並ぶ閑静な市街にその花の御所はある。純和風の広大な庭園をもつ屋敷であった。
指定されたところに車を停めると小笠原夏子警部が僕たちを出迎えてくれた。
今回、この御前会議の警備を彼女はまかされているのだという。
「おはようございます、種子島さん」
ペコリとおじきをして夏子さんは挨拶する。
「あらネクタイが」
そう言うと夏子さんは僕のネクタイをキュッとしめなおしてくれる。これ見よがしにその巨乳を僕の胸に押しあてる。むにむにして気持ちいい。
そう遠くない将来この人も僕のハーレムファミリーに入れよう。地味巨乳やはり悪くない。
僕たちは小笠原夏子警部の先導でその落ちついた雰囲気をかもしだす花の御所と呼ばれる広大な屋敷に入る。
すでに用意された待合室に双葉幸村さんと八丈美冬さんがいた。
「よく来てくれましたね」
幸村さんは言う。
さてこれからどうなるか。まさに鬼が出るか蛇が出るか。はたまたとんでもないものが出るのか。
しばらくすると二葉蔵美神さんともう一人が僕たちを迎えに来た。
そのもう一人は一乗谷悠亜と名乗る。銀髪の美少女で透き通るような白い肌をしている。背は160センチメートルほどか。キララに負けないぐらいのグラマラスな体をお嬢様が着るようなワンピースに包んでいる。
彼女も明日香やキララと同じ14歳だという。二葉蔵美神もあんなに大人びているのに14歳だという。
彼女らを通称
五令嬢の最後の一人はあの五丈原涼香だ。彼女は表向き行方不明となっている。そう、あの憎むべき人形使いの正体である五丈原涼香だ。五丈原涼香の行方も権力のうちにくい込めば解るかも知れない。
御前会議に出席できるのは僕と幸村さんだけだ。僕は幸村さんの手を握り、その会議室に向かう。
すぐ前を背の高い二葉蔵美神と一乗谷悠亜が歩く。一乗谷悠亜は青い瞳で僕の顔をちらちらと振り向きながら見る。
「思ったより素敵な方じゃないの♡♡」
一乗谷悠亜が二葉蔵美神に小さな声でささやく。きっちりと聞こえたので僕はわざと一乗谷悠亜の瞳に視線を向ける。視線があうと一乗谷悠亜は耳の先まで赤くする。
「そうですね♡♡お慕いするのに足る方だと私も思います♡♡」
二人がこそこそと会話する。
そうこうしているとその会議室に到着した。
そこは和室に長い机が置かれていてシンプルなデザインの椅子が六つ置かれている。
すでにその部屋には四人の男性が腰かけていた。
「双葉幸村様、種子島豊久様をお連れしました」
一乗谷悠亜がその四人の男性に声をかける。
四人の男性はいっせいに僕たちを見る。
長い机の右奥にいるのが一乗谷信長である。
幸村さんがテレパスで教えてくれる。
一乗谷信長は六十代後半で頭部には髪の毛が一本もない。いかにも精力絶倫といった感じで目には生気がみなぎっている。
その手前にいるのが三千院影虎である。キララと同じ金色の髪をしていて、秀麗な容姿をしている。年齢は30台後半といったところか。
左奥にいるのは五丈原孔明。長い黒髪を首の後ろでまとめている。精悍な顔立ちで涼子さんにやはり似ている。どことなく侍を連想させる。
その手前にいるのが四方堂義経である。この四人の中で彼が一番若い。軽くウエーブのある長い茶髪をそのまま流し、その端正な顔にばっちりなメイクしている。
「あら素敵じゃないの♡♡」
四方堂義経は僕をなめまわすように眺めてそう言う。
「義経、まもなく聖天子陛下がいらっしゃる。少しはつつしめ」
一乗谷信長がたしなめる。
「は~い」
悪びれる様子もなく、四方堂義経は言う。
僕はその四方堂義経の隣に案内され、そこに腰かける。
さらにその隣に双葉幸村が腰かける。
一乗谷悠亜が僕たちに温かい緑茶を用意してくれた。
「あなたが豊久君ね。うちの明日香ちゃんがきにいるのがわかったわ」
うふふっと四方堂義経は僕の手をなでなでする。この人思ったより馴れ馴れしいな。
「よろしくお願いします」
僕はあえて彼が僕の手を撫でるのをされるがままにする。
「あらいい心がまえね。お兄さん好きになっちゃうかも♡♡」
どうやはこの人二刀流のようだ。きっとこの世界では珍しい存在なのだろうな。
五丈原孔明がごほんと咳払いする。
「聖天子陛下のおなりでございます」
うやうやしく二葉蔵美神が僕たちに告げる。
そこにいる全員が立ち上がり、背筋をのばす。あの四方堂義経でさえも真剣な顔にかわる。この人黙っていればものすごい美男子だ。
すぐに気品と美しさをかねそろえた和服の女性が一段奥のところにあらわれる。
この方がこの国の権威の象徴である聖天子陛下であらせられる。僕の体は勝手に頭を下げて、礼をとっていた。
それは強制されているのではない。
この方に決して無礼を働いてはいけない。心底そう思った。
目の前にいるその女性は慈愛を含む笑みを浮かべて椅子にこしかける。
「皆さん、楽にしてください」
聖天子陛下はまさに鈴のなるような声でそうおっしゃられた。
ついに御前会議がはじまったのである。
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