第45話麻季絵の紋章

僕は双葉幸村の誘いに乗ろうと思う。十六夜少年を救う手だてがない以上、彼の誘いだけが唯一の解決策だ。

この際、五花族に深く食い込み、世界の目的とやらを探るのも一計かもしれない。

そのためにもまずは死に瀕しているという二葉蔵光秀に会うべきだと双葉幸村は提案する。一度、五花族の当主がどのような存在なのかこの目でみてみる必要はある。

今まで何度も嫌がらせをうけたからね。どんな相手なのかこちらが見極めてやろうと思う。

「でもアポイントメントなんてとれるのですか?」

僕はきく。


「今の僕なら大丈夫ですよ。あなたが僕の計画に賛同してくれるのなら、これくらいはやってのけなければ」

目の不自由なのが信じられない手つきで双葉幸村はマドレーヌを口にいれる。

このマドレーヌは麻季絵さんのお手製で絶品なのだ。


「ところで話は変わりますが、これは僕の推察なのですがSSR資格者はすべて異世界から転移転生したものと思われます。少なくともあなたとあの双葉蔵光秀はそうです」

双葉幸村は言う。血縁的には二葉蔵光秀は彼の母親違いの兄だということだ。

ちょっと待てよ、この話が真実ならばどうして彼はE資格者なのだ。

「SSR資格者はほぼ確実に女性を妊娠させることができます。さらにこの能力には副作用とも言うべきものがあります。それはそのありあまる精力で一人の女性では満足できなくなるのです」

双葉幸村は言う。

確かにその通りだ。この環境は僕がそう望んだのであまり気にしなかったが、精力がありあまっているので毎晩ファミリーの誰かにお相手をお願いしている。

もし白やあやの先生、涼子さん、みゆきさん、麻季絵さんたちがいなかったら僕は性欲を発散できなくて頭がおかしくなっていたかもしれない。


双葉幸村はまた僕の手を握る。

僕はね、女性は美冬だけでいいのですよ。彼女を失いたくない一心で何度も世界を転生したのですからね。魔力でわざとD資格におさえているのです。

僕は美冬以外を愛したくないのですよ。あなたとは真逆ですね。

心の中にそう囁きかけ、彼はふふっと微笑する。


そういうのもいいと思うよ。なにをモットーに生きるかは人それぞれだ。

僕みたいに美女と美少女とに囲まれて過ごしたいと思う人間がいてもいいし、彼のように一人だけを好きにいつづけるのもいいと思う。人間はもとから自由なのだから、自由に生きればいいと思う。

僕なりの自由主義というやつだ。


二葉蔵光秀とのアポイントメントがとれたらまた連絡すると言い残し、双葉幸村は白うさぎ亭を去っていった。

僕たちはレストランの後片付けをすませて、我が屋敷に戻る。

晩御飯を食べながら僕は双葉幸村の提案を皆に話す。

「他に手がない以上、やってみる価値はあるよね」

白はちっぱいの前で腕を組み、そう言った。

「私はあんまり乗り気はしないわね。危なすぎるわ」

あやの先生は心配気に眉をよせる。確かに相手の懐に入るのだ何が待ち受けているかわからない。

「私も慎重にいくべきだと思うわ」

涼子さんも心配してくれる。彼女も優しいからね、何よりも僕の身を案じてくれているのだ。

「何かを欲するにはそれなりの代償が必要よね。私はやってみる価値はあると思うわ。それに何があってもマスターは私が守るから」

頼りがいのあることをみゆきさんは言う。

「私も賛成。ってこれは麻里亜の意見だけどね。まさに虎穴に入らずんば虎子を得ずよ」

麻季絵さんのもう一つの人格である麻里亜さんも賛成してくれたようだ。


僕としても他に案がない以上、とりあえずその策にのってみることにした。後はサイコロの目がどのように出るかだ。できれば良い目が出ることを祈る。

ということでこの日の夜は麻季絵さんの部屋を訪れた。

「ちょっと待っていて下さいね♡♡」

嬉しげに麻季絵さんはクロゼーットから衣装を取り出す。サクサクと着替えいく。なんと彼女は花魁の衣装を着ていた。どうやら着物の着付けなんかもできるようなのだ。

麻季絵さんは多才だな。

ということでこの日の夜は花魁と遊ばせてもらいました。素っ裸もいいけどこういう華やかな衣装を着ているのもいいよね。

化粧も濃いめで本当の花魁みたいだ。

麻季絵さんは前にチャイナドレスを着ていたし、こういうコスプレが好きなようなのだ。

そして僕もコスチュームプレイは大好物だ。もとはゲーマーのオタクだからね。

他の四人はこういう遊びをあまりやらないので、麻季絵さんとのエッチはいろんな意味で楽しい。


「あちきを愛してほしいでありんす♡♡」

麻季絵さんものりのりだ。僕も楽しくなってギュッと麻季絵さんのボリュームたっぷりの体に抱きつく。

はーこの肉のたっぷりつまった体は抱き心地抜群だ。ぷにぷにしていて温かい。

「ういやつじゃういやつじゃ」

僕もその気になり、気分は江戸時代の大金持ちだ。紀伊国屋文左衛門といったところか。

そして僕は麻季絵さんをたっぷりと愛した。

花魁の麻季絵さんに僕が持てる愛情をこれでもかと注ぎこむ。

「旦那様、極楽往生するでありんす♡♡」

着物を乱しに乱した麻季絵さんは極楽往生してしまい、気持ちよさで気絶する。

僕も気持ちよさで頭がいっぱいだ。もうなにもでないや。

本当にこのデカ尻は愛しがいがあるな。安産体型ってエロい気分にさせてくれる。この人に赤ちゃんを生ませたいと思わせる体はすなわちエロいということだ。

僕も今日はいろいろあったので麻季絵さんのむっちりぽっちゃり体を抱きしめて眠ることにした。


あれ?

麻季絵さんのプリンとしたお尻に刻まれた淫紋がぐにゃぐにゃと歪んでいく。やがてそれが一つの形になる。

長い棒を持った勇敢な猿の姿だ。

これはきっと西遊記の孫悟空だ。別名は斉天大聖。天にもひとしい力を持つ猿の妖怪だ。その魔力は魔神といってもいいだろう。

麻季絵さんのもう一つの人格である麻里亜さんは三節棍を得意としているから、孫悟空はぴったりだ。

僕はそのむちむちとたっぷりと肉のつまったお尻を撫でながら、眠りについた。



翌日の昼頃、双葉幸村から連絡があった。

三日後に二葉蔵光秀がとの面会がかなったというこだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る