第21話人形使いへの手がかり

朝になり、目覚めた僕はみゆきさんのきれいな寝顔を眺めている。

かわいいな。

あのスーパーで一方的に好意を寄せていた相手が実は僕のことを好きでいてくれたなんて。相思相愛になれたかもしれないのか。

でもこの世界でこういう関係になれたから、それもまた良いものだな。

昨夜の行為がよほど気持ちよかったのかみゆきさんはすやすや眠っている。

眠っているのをいいことにちょっとエッチないたずらをしているとううんっ♡♡と言い、彼女は目覚める。

「おはよう♡♡」

みゆきさんはチュッと僕に目覚めのキスをする。僕もチューをして答える。



食堂に行き、僕たちは麻季絵さんの美味しい朝ごはんを食べる。

あっ今日の朝ごはんは僕の好物のたまごサンドだ。ふわふわスクランブルエッグとカリカリトーストとの相性は抜群だ。

それに野菜たっぷりスープと栄養バランスもバッチリだ。

はー美味しかったな。

お礼の頭撫で撫でをしてあげると巨乳とデカ尻を震わせて麻季絵さんは喜んでくれた。

この安座体型もエロいよな。

今度機会をみて夜のお供を頼んでみよう。



「やっぱり魔女の加護の効果でみゆきさんに特技スキルが授けられてるよ。どれどれステータスオープン!!」

白がみゆきさんの手を握り言う。

「うへっ!!」

驚愕の声をあげる。

特技スキルはその人の個性にあわせて付与されるんだけどみゆきさんが目覚めた特技これはやばい」

白はやばいやばいを連発している。

「何がやばいの?」

僕は聞く。

特技スキル名は見敵必殺サーチアンドデストロイ。戦闘時の五感強化に射撃の命中率向上。さらに保護対象者の半径十メートル内では加速行動も可能。加速速度はピストルの発射速度と同じぐらいかな」

と白が説明する。


「たしかに、豊久さんの近くにいると力がわいてくるわ」

みゆきさんが腕の力こぶをみて言う。

ぷくっと膨れたいい筋肉だ。


「それっ!!」

至近距離で白が僕めがけてフォークを投げる。

危ないっ!!なにするんだ!!

だが杞憂におわる。

みゆきさんがいつのまにか指でフォークを挟んで止めていた。

「これはすごい」

フォークを握りながらみゆきさんが言う。

凄まじい反射神経だ。

「これねらどんな敵からも豊久さんを守れそう♡♡」

みゆきさんもうれしそうだ。



朝食を食べた後、僕は白の部屋にむかう。

彼女に呼ばれたのはわけがある。

あの人形使いの声を聞いたと言うと白はその声を再現できると言うのだ。

白は僕の膝に乗り、向かいあう。

チューとキスをする。

これが魔法に必要な儀式かなにかなのだろうか。

「うんうん、チューしたかっただけ」

うふっと白は微笑む。

もーかわいいやつだな。

僕たちは何度もキスを応酬する。

「はーお兄ちゃんとのチュー気持ちいい♡♡あっでもエッチするんじゃなかった♡♡」

テヘッと舌をだす。

本当に白は猫みたいにかわいいな。もと猫の猫娘だから当たり前か。

白の形のいい頭を撫で撫ですると白はエヘヘッと喜ぶ。

「このままお兄ちゃんとエッチしたいけど、本題にうつらねば」

キッと真剣な顔になり、白は僕の手を握る。

低い音律の呪文を唱える。

「さあお兄ちゃん、その時の声を思い出してみて」

白にうながされ、僕はあの時の声を思い出す。女性にしては低い声だったな。ちょっとハスキーな感じだ。


「まさかうちの思念の糸にきづくなんてね。これは油断大敵だわね。はやく切らないとこっちをたどられちゃうわ」

白は半目でトランス状態になって言う。

これは物まねなんていうレベルじゃないぞ。録音して再生したような感じだ。

「すごいそっくりどころじゃない、あの声そのものだ」

褒められて白はうれしそうだ。テヘヘッとにこにこしている。

もう一度白はその声を再生、タブレットに録音する。

「この音声から声の持ち主の顔を推定して、似顔絵がつくれるんだ」

白がいうには声からその声をはっするのに必要な声帯をはじめ骨格や顔の輪郭、はてはおおよその年齢までわかるという。


白がタブレットにキーボードを接続し、カチャカチャと作業する。

十分ほどで作業は終了する。

「ほらできたよってこれは……」

タブレットの画像を見て、白は小さな口を手でおさえる。

僕はその画像をのぞきこむ。

「えっこれって……」

僕も驚愕をかくせない。


そのタブレットの画像は涼子さんにそっくりだったのだ。僕は思わず生つばをごくりのむ。

まさか人形使いの正体があの美人でやさしい涼子さんだというのか。

「いや、ちょっと違う。この人の推定身長は160センチメートルで体重はおおよそ62キログラム。けっこうグラマラスな感じかな。顔も丸みがあるしね。でもよく似てるね。たぶん姉妹とかのレベルかな」

うーんと腕を組み、白は言う。

たしかに涼子さんは身長175センチメートルのスレンダーモデル体型だ。白が読みこんだデータとは違うな。

「考えても仕方ないよ、涼子さんに直接きこう」

この画像だけでは答えはでない。

これだけ似てるなら涼子さんは何かしっているはずだ。

「そうだね」

白は言い、僕たちは涼子さんの部屋にむかう。

「涼子さんこれを見て下さい。白が僕の記憶から人形使いの声を再生し、そのデータから作成した似顔絵です」

僕は言う。

涼子さんはそのダブレットの画像をまじまじとみつめる。

「これはたぶんだけど涼香すずかよ」

ときれいな顔をどこか曇らせて涼子さんは言う。

涼香すずかとは何者だろうか?


皆を集めて話したいというので僕たちは食堂に向かう。あやの先生とみゆきさんと麻季絵さんも呼ぶ。

麻季絵さんが皆のためにお茶とお菓子を用意してくれた。

僕には甘いカフェオレ、涼子さんはブラックコーヒー、白はホットミルク、あやの先生は紅茶、みゆきさんは緑茶で麻季絵さんはココアと好みはそれぞれだ。

僕はその作成された似顔絵を皆に見せる。

「本当に似てるわね。でもちょっとだけ違うかな」

あやの先生は100センチおっぱいの前で腕をくみ、言った。

「瓜二つとまではいかいけど涼子さんにかなり似てるわね。これは無関係とはいいがたいわね」

みゆきさんは机におっぱいを乗せてそう言った。麻季絵さんは心配そうにキョロキョロしている。麻季絵さんもあやの先生もおっぱいを机に乗せている。

これは乳休めの三連単か。


「この娘はおそらく姪の涼香すずかよ。五丈原家の長女で当主五丈原孔明の娘。私の弟の子供よ。そして五年前に行方不明になったの……」

涼子さんはそう語った。


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