第5話いっぱいでましたね

あの恥ずかしすぎるおしっこするのを見られた事件から10日ほどすぎようとしていた。

佐渡あやの先生と五島看護師長らの看護チームの献身的な看護のお陰で僕は一人で歩きまわれるぐらいまでに回復した。

まだジョギングなどの激しめの運動は無理だが、五島看護師長に連れられて中庭でウォーキングに近い運動をできるまでになった。

ブラック企業で働いていたときは運動なんてする時間はなかったので、この健康的な生活は夢のようだ。

運動以外の空いた時間は検診と与えられたタブレットにより読書したり映画やアニメを見たりして過ごした。


特にアニメはそのほとんどが女性視聴者のため、おもに恋愛系しかも溺愛系が多いのが印象的だった。

僕の好きなロボットSFものも主人公は女性ばかりだ。文化面でもこの世界は女性がメインだということなのだろう。

多種多様なイケメンに囲まれる乙女向けのものが一番人気があるようだ。

実際の人間が1万人に一人しかいないのでフィクションでその穴埋めを行っているのかもしれない。

もちろん男性俳優は極端に少ないので、映画やドラマにでている俳優はほとんどが同じようなメンバーだ。



その日も佐渡あやの先生のやたらさわりまくる検診を終え、僕は夕食を食べる。

そこまで触る必要があるのかなと思われたが、佐渡あやの先生が触れるたびにそのロケットのようなやわらかおっぱいが体のあちこちにあたるので僕は黙っていることにした。

夕食はあの重湯からお粥になり、今では通常のご飯を食べれるようになった。

こうやって規則正しい生活をしていると自分の体が目に見えて健康になっていくのがわかる。

やはり長時間労働はあってはいけない。健康に悪く、寿命を縮めるだけだ。

しょうが焼きにサラダ、お漬け物、豆腐と茄子のお味噌汁という晩ごはんを食べ、シャワーを浴びて、ベッドで眠る。

あと数日検診をしたら、退院できるとのことだ。

退院したらどうするのか。

それを考えなくてはいけないな。

この世界では男性というだけでちやほやされるので選択肢はかなり多いらしい。

後日、政府関係者からの面談もあるとのことだった。

今や男性は貴重な資源なので、政府はある程度把握しておきたいらしい。

佐渡あやの先生も五島看護師長も形式上は厚生労働省から派遣された国家公務員扱であるとのことだった。


夕食のあと、アニメやアメコミ原作のドラマを数話みたあと眠りにつく。

それが最近のルーティンだった。



僕が眠っているとなにかごそごそという音がする。

目を開けるとそこにはあのセクシー女医の佐渡あやの先生がいた。

彼女はその厚くてセクシーな唇に人差し指をあてる。

どうしたんだろう、こんな夜中に。

「はーいいにおい♡♡」

僕の股間にそのきれいな顔をあてスーハースーハーと胸いっぱいに呼吸する。

呼吸するたびにその特大おっぱいがゆれる。

「先生、おっぱい大きいですね」

僕がなぜこんなセクハラ発言したか、自分でも良くわからない。

「そうよ、Jカップの100センチあるの。肩こって仕方ないわ」

僕の股間に顔をおしつけながら、佐渡あやの先生はいう。

どうしてこんな馬鹿な質問に真摯に答えてくれるのだろうか。

あまりに強く顔をおしつけられるので、正直な僕の下半身は反応する。


そしてこれまたなぜかわからないが、佐渡あやの先生は白衣と衣服を脱ぎ、ランジェリー姿になる。

紫色のフリルのついたセクシーな下着だ。

驚くほど胸の谷間が深く、お尻はプリンと張りがある。それなのにウエストだけは僕の頭のサイズなみの細さだ。

これはスタイル良すぎる。

むちゃくちゃエロい。

セクシー女医佐渡あやの先生は僕にまたがり、ぐっとそのきれいな顔を近づける。

「ねえ、種子島さん。私と気持ちいいことしましょうか」

佐渡あやの先生は言った。


そこからめくるめく夢のようなシーンの連続だった。

そして、僕は目を覚ました。

なんだ、夢だったのが。

壁の時計の針をみると午前6時。

朝の定期検診の時間が近い。

それにしても下半身から全身にぬけて気持ちよさが駆けぬけている。

頭がふらふらするほど気持ちいい。

体は気持ちいいが一部分だけ冷たく不快だ。

股間に手をあてるとネバネバとして不快で冷たい。


はーやっちゃった。

夢精してしまった。

あんな夢を見たからだ。

そして運の悪いことに佐渡あやの先生が入ってきた。


や、やばい。

僕はパジャマだけでなく、ベッドのシーツまで濡らしてしまっている。

さすがに美人女医にこんなのはみられたくない。

しかし、無情にも佐渡あやの先生は僕の顔をのぞきこみ、異変に気づく。

「スーハースーハー。この今までにないこってりとした濃厚な男の子香りはまさか」

僕が茫然自失しているなか、佐渡あやの先生は巨乳を揺らして掛け布団をめくる。

そこにはベットリと濡れたパジャマとシーツがある。まるでおねしょしたようにビチャビチャで濡れている。


これは恥ずかしすぎる。文字通り穴があったら入りたい。耳の先まで熱くなるのを覚える。


「こ、これはいっぱいでましたね。気にしなくていいのですよ、種子島さん。これだけでるということはやはりあなたはスペシャルになれる可能性が高いわ。今日の予定は変更して精液検査をしましょうか。予定よりかなり早いですが、これだけでるのなら政府のお役人たちも種子島さんをほうってはおかないでしょう」

冷静に佐渡あやの先生は言う。


この後、五島看護師長は着替えを用意してくれ、僕はシャワーを浴びてさっぱりしてもとの部屋に戻る。

シーツも布団も新しいものに変えられていた。

そして佐渡あやの先生の白衣のポケットにはなぜか僕の使用済みパンツが入っていた。

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