第四話:始まりの合宿
「ってことがあったんだけど、これ誰にも言わないでね」
「わかってるけど勉強合宿かぁ〜俺も行っていい? あ、咲希ちゃんと二人がいい?」
「うちあまりのベッド一個もないよ?」
「じゃあ自分ちから持ってく」
「でもお母さんがいいっていうかな」
「じゃあ俺が自分で頼むわ」
「えー」
「よし、じゃあ瑞樹も誘お〜」
「え、ちょ…………」
影弥はあまり人の話を最後まで聞かない。途中までは丁寧に聞くくせに最後の大事な方を落とすから先生の連絡も最後の方は僕が教えてあげている。
ちなみに瑞樹とは
◆ ◆ ◆
「「ただいまー」」
「おかえり」
「あのさ、勉強合宿のことなんだけど」
「あー影弥君も来たいっていうし、瑞樹ちゃんも一緒にくるっていうからOKしちゃったけどそのこと?」
「え…………電話きたの?」
「うん」
影弥、行動早すぎでしょ。まだ下校して十分も経ってないぞ?影弥は昔からそういうところがあるから電話かける前に帰ろうと思っていそいで帰ってきたつもりだったんだが余裕で間に合わなかったらしい。
「どうしたの?」
「あのさ、」
「うん」
「…ベッドってどうなったの?」
「実は一個もないのは嘘なの。実は一個だけあるのよ、お父さんのが」
「はぁ?!」
「ちょっと二人で寝るとこがみてみたくて。もうOKしちゃったから影弥君は断れないわよ」
不覚だった。そういえばお父さんのがあったんだった。完全に忘れていた。お父さんはあまり帰ってこないため、ベッドが物置に存在する。そのあまり使われないベッドを影弥と瑞樹さんで使うのだろう。
「わかった、じゃあまたあとで」
「はいよー」
とりあえず部屋に戻ってきた。ゲームでもするか。ん?通知の量すご。なんかよくわからんグループからめっちゃきてる。なに?あ、これ影弥と咲希と瑞樹さんと僕のグループだったんだ。
『勉強合宿組のグループ作ったよ〜』
『おっけ〜いつからなの?』
『来週からか?』
『わからないんだよなぁー』
『…なんなら今から行く?』
『いいじゃん!』
『ってことで倫也、今から行くぞ?』
『既読も全くつかないね』
『じゃあ凸るか』
『わかった、じゃあ6:00に倫也くんちの前で!』
『『はーい』』
え、なに、今からくんの?今の時間は…5:45!?お母さんに今から来るって行って自分の部屋ささっと片付けないと!
「おかあさん!」
「なに?」
「咲希たち6:00にくるって!」
「あぁ知ってるわよ」
「なんで知ってn…」
「電話きたから」
「あぁはい」
あいつらほんとなんなんだ。まぁスマホ見てない僕も悪いんだけど。とりあえず早く片付けなきゃ、
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