第二話:フレンドリー

「これから隣かぁ〜! よろしくね、ともやくん!」


「…あ、はい…ヨロシクオネガイシマス」



自分が思う中で最悪の出来事がおこった。僕の元カノの天野咲希と隣になってしまったのだ。気まずすぎて話せない。これからの生活がものすごく不安だ。


「ところでさ、昨日のW杯みた!?」

「あ、うん…見たよ…」

「すごくなかった!? 私すごい興奮しちゃって寝れなかったんだけど!」

「へ、へぇ〜」



………………ん?



「今日の給食カレーらしいよ! カレーおいしいから嬉しいよね!」

「…ウ、ウン、ソダネー」



…………………………………んん?

めっちゃフレンドリーに話しかけてくるんですけどぉぉぉぉぉぉぉ!

いや、今までの2ヶ月間なんだったの!?話しかけられなくて気まずいな〜と思ってたんだけど、急にめっちゃ話しかけてくる!な、なんて話しかけよう…とりあえず2ヶ月前のこと聞いてみるか。


「あ、あのー」

「ん? なになに? どしたの?」

「……やっぱりなんでもないです」

「え〜言ってよ〜」


緊張して言えなかった!まずどう聞くつもりだったんだ、僕は!なんでこんなに話しかけてくるの?だと不自然だし、2ヶ月前のことなんだけど…っていうと気まずくなるしなぁ〜!どーしよ、テンパって何もできない!とりあえずなんでこんなに話しかけてくるの?って聞いてみよう。よし、いつもどおりの僕に戻ろう。


「…天野さん」

「ん、なに? っていうか天野さんって呼ばなくていいよ〜というか呼ばないでほしいな。前みたいに咲希、でいいよ!」

「ア、ハイ、じゃあ咲希さん、」

「さん付け禁止! 堅苦しくて嫌だ!」

「え、じゃ、じゃあ……サキ」

「はい、よく言えました!」


やばいものすごく緊張して破裂しそう。まさかまた咲希って呼ぶ日がくるなんて…


「それで、どうしたの?」

「あ、えーっと、な、なんでこんなに話しかけてくるの?」

「え、だめ?」

「いや、いいんですけど、なんでこんな急なのかな〜って思ったり思わなかったり」

「あ〜、だってここ2ヶ月くらい話してないじゃん? だから前みたいに気軽に話したいな〜と思って。」

「あ、そーですか」


まぁ話しかけづらいオーラを出していたから話しかけられなかったんだろう。そもそm…

「ところでさ、そろそろテストじゃん?」

「うん、そうだねー」

「でね、倫也くんって学年一位キープしてるじゃん?」

「ま、まぁそうですけど…」


うちの学校では上位十名までの人の名前は廊下に貼り出される。だから咲希もしっているだろう。


「でね、今日の放課後、倫也くんの家で勉強教えてくれないかなぁ〜、と」



「……………………へ?」

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