第3話
でも私はそんな扱いをしていた男たちの中の一人にいつの間にか孕まされていた。
蔑んでいた存在に、腹の中に穢れの詰まった爆弾を仕込まれたのだ。
厭う私の意志とは正反対にその爆弾は日に日に力を漲らせながら私の心と体を蝕んだ。得体の知れないグロテスクな塊がぐにゃぐにゃと腹の中で二十四時間、形を少しずつ変えながら蠢いているという現実・・・。
そんなおぞましい爆弾の処理をどうするべきか考えに考え抜いたが、頭の中で答えは纏まらなかった。考えれば考えるほど叫んで逃げたくなるのだ。相談できる人もいなかった。問題を解決する手段も知恵も私は何も持ち合わせていなかったのだ。
私は中絶ができなくなる時期が迫ってきていても働き続けた。自分がどんな状況になっても世の中は売女の身の上をわかってはくれないし救ってもくれないであろうことはわかっていたからだ。わかってくれるのは金だけだった。
金だけは唯一信用できたし、どんな時でも私を裏切らなかった。
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