第6話
不要不急の外出は控えましょう。
何度目だろう。
健康のための散歩ならよし、独り言で毒づいて玄関から飛び出る。
どこかへ連れて行ってほしい。こんな現実忘れさせてくれる楽しい世界へ。
ニュースなんか見なきゃいいのにLGBT特集はつい見てもやもやしてしまう。
まったく、厄介な世界に落ちてしまったものだ。こういうときは、歩くに限る。道も目的地も考えない。いつ終わるかも私次第で歩き続ける。できるだけ早足でね。
だらだら歩いていると思考が暗くなる。早足だと道を見極めてどう動くか考えることに脳がほとんどの容量を使ってくれる。
歩いて歩いて、行きすぎるひとの笑顔がちくりと刺さる。
詩人の気持ちになって、なにか書いてみようか。
もやもやを踵に集めてずんずん歩く。
そうすると、ゾーンに入る。
私の体が道を決めてくれる。
私の体は道を知っているんだ。
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