何も起こらない小説
何も起こらない小説
ふと目を覚ました。スマホを見ると、7時36分だった。私はベッドから起き上がると、洗面所で顔を洗い、歯を磨いた。それからトースターでパンを焼いた。トースターは壊れているのか、パンが焼けるのに15分もかかった。そして、ほどよく溶けたバターをパンに塗った。テレビを付けると、どのチャンネルもつまらないニュース番組しかやっていなかった。だから私は、水曜日に録画したチェンソーマンの8話を見ながらパンを食べた。かなり衝撃的な展開だった。
パンを食べ終わると、部屋に戻り、ベッドに横になりながら、村上春樹の短編集の『カンガルー日和』を読んだ。「眠い」という小説は、主人公が最後のシーンでケーキの箱を持ったまま泳ぎに行こうとする。絶対に中のケーキ痛むだろうな、とどうでもいいことを考えながら、私は本を閉じ、目を閉じた。
目を覚まし、スマホを見ると、13時47分になっていた。せっかくの日曜日なのに何もしてないな。そう思っていると、突然インターホンが鳴った。何か注文したっけ? 私はそう思いながらドアを開けた。すると、そこには銀色の体に大きな目をした宇宙人が立っていた。彼は私の顔を見るなり私に向かってこう言った。
「僕と一緒に地球を滅ぼしませんか?」
私はその言葉を聞いた瞬間、ドアを閉め、鍵をかけた。あーあ、今日も何も起こらない
つまらない一日だったな。
何も起こらない小説 @hanashiro_himeka
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