第四話核心的な事実は普遍的真実で無く


「で、東京に上京したいとカウンセラーに、父さんに東京上京したいと言ったら駄目と言われましたね、そこまで怖がらなくてもいいのになぁ」


天坂勝子は薬も過ぎれば毒と思う、それは一つの笑い話を同時に二度、食んでしまった。


それによって笑えなくなってしまった。


そういう皮肉なのが逆に笑える。


ウケるというやつかもしれない。


「‥‥‥そういうのは守秘義務があるかもしれないけど、ロッカーとかするにしてもそこでバイトをすることになるとか言われる前にそのような不一致が起きてしまったのね」


天坂勝子はテレビをとりあえず、つけることにした、そこには旅番組があった。


今、見るにしては少し相応しくない。


ありきたりなお笑い番組にチャンネルを変える、それだけで山末愛斗は微笑んだ。


「なにがおかしいの?」


天坂勝子はその疑問は分からないだろう。


「いやいや、えーと今、何時?」


「夜、9時47分だけど」


襖が空いて、窓から月光が入り込む。


山末愛斗は何故か、悲しげな顔になる。


「ふーむ、やはり、全てを鵜呑みして、袋小路と思うのは良くなかった事ですなぁ」


まさか、そのような顛末だったとは天坂勝子は彼の浅慮をとことんまで誰かの代わりにも怨みたくなるが疲れて気力がなかった。


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