第256話 魔導具をつくろう!③
聖女様の護衛依頼を受けた翌日…。
朝から冒険者ギルドへ向かい、アイアリーゼさんと待ち合わせ。くっ…コレがデートだったらどれほど良かったことか…。
「おはよう、ユーリウス君。待ったかしら?」
「おはようございます、アイアリーゼさん。いえ、俺も今来たところです」
お約束のやり取りを実行したあと、俺はアイアリーゼさんを伴い動き始める。
行先は…
学校である。
アイアリーゼさんを伴う理由は簡単。
護衛依頼の為の移動ルートの下見…その為に学校を休む必要があるので、ギルドマスターたるアイアリーゼさんから直接学校へ説明をしてもらい、俺の休みを公休にしてもらう為である。
そしてもちろんではあるのだが………その下見にアイアリーゼさんが同行することはない。………泣けるぜ。
こうして公休と言う名の切り札を正規の手段で勝ち取った俺は、静かにほくそ笑む。
クックックッ…これでこの下見の期間は自由に動けるぜ…。
「悪い顔してるわよ?」
「何故、君はそんな悪い顔をしているのかね?」
アイアリーゼさんと先生からのツッコミに「おっと…」と顔を正す。………あまり聞いたことのない言葉ですねぇ。
あと『悪い顔』ですよね?『顔が悪い』じゃないですよね?俺は父さんに似てイケメンなはずだし?えっ?ほんと大丈夫?
「しかし下見は分かるのだが移動手段はどうするのかね?急にワイバーン便も用意は出来ないし…」
…とは先生からの質問。これにはアイアリーゼさんも同様のようだ。
「そこはまあ魔法でどうとでもしますんで…」
往路は『飛翔フライ』と『隠密』で、復路は『転移』で帰ってくるつもりなのだが、そこはもちろん秘密にする。
特にアイアリーゼさん、ミリアリーゼさんに知られたりしたら絶対に都合良く使われるのが目に見えている。そしてソレを断れない俺の姿も目に見えている。………泣けるぜ。
ちなみに下見に行くのも『転移』が理由だったりする。護衛中、万が一に『転移』を使う羽目になったとしても転移先が近ければ有耶無耶に出来るだろう、多分…というテキトーな打算からだったりするワケだ。
まあそんな『万が一』を起こさせる気なんてこれっぽっちも持ち合わせていないが、狙いは『俺』ではなく『聖女』である。
狙いが俺なら回避どころか、なんなら反撃して殲滅までお見舞いしてやるのだが、あくまでも狙いは『聖女』で俺の役目は『護衛』である。そこまでしてやることも………………ん?反撃した方が楽そうだな。
…いやいや、俺は自分の力を絶対に隠し通そう…とまでは全然思っていないが、極力目立たないようにはしないとな、うん。………ホント。
…とまあ移動手段を有耶無耶に出来たかどうかは知らないが、これで学校を跡にした。
帰りはアイアリーゼさんとお昼をいただきながら、ランチデート(という名の打ち合わせ)をし、楽しく会話(移動手段や方法を巧みにかわし)をしてからゼハールト家へと帰宅。
俺は帰宅後、着替えてから錬金部屋へと転移する。
護衛対象への『万が一』………『敵』が俺の視界、『マップ』に映れば特に、というか全く問題無い。だが『マップ』の範囲外からの超長距離魔法やそれに類するスキル、範囲内であっても映らないスキルなどなど…それらが在った場合はどうなる?
俺はソレに対処することが出来るだろうか?
答えは『わからない』である。
俺の反応速度を超える攻撃手段がそうそう在るとは思わないが、『ここ』はスキルや魔法が存在するファンタジー異世界…無いとも言い切れない。
なるばどうするか?
『マップ』の範囲外だろうが映っていなかろうが対象を護ることの出来る魔導具を作る…いや、創れば良いのでは、と俺は思ったワケである。
とりあえず今日のところは『無限収納インベントリ』内で良い材料がないか探そうか。
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