第228話 巻物《スクロール》

 魔法具店をあとにして宿に戻る。

 買った『魔法ペン』はヴァーチェに戻ってから色々と試すとして、巻物スクロールの確認をしようか。と言っても、テーブルや床に広げるワケではなく、『無限収納インベントリ』に容れたまま鑑定先生に解析してもらう形なんだけど。

 さてさて、何か使えるモノは~っと…。


『盾シールド』

 義祖父さんが使っていた物理防御魔法だな。俺が使えば大分硬い盾が出来そうだ。


『探知ディテクション』

 薄い魔力の波を周囲に飛ばしすことで感知する魔法。俺には『マップ』があるけど、まあ有能だ。ただし…『ディテクション』は言いづらい。『レーダー』と読もう。


『重力魔法グラビティ』

 一定範囲の重力を倍にする魔法。有能。というか、この異世界に『重力』の概念が在ることにビックリである。


『消音ミュート』

 一定範囲内からの音を消す魔法。有能。どちらかというと防音魔法だと思うのだが…。消音=ミュートで合っているとは思うが、響き的に『サイレンス』とでも呼ぼうか…。


『念話』

 通信魔法。…おおっ?有能なのが有るじゃないかっ…て、なるほど…。二つないと使えないし、通信距離が短いのね…。改良のし甲斐があるってもんだ。


『収納魔法アイテムボックス』

 おっ?良いのが有るじゃないか。ご存知『アイテムボックス』。これを解析して鞄とかに付与してセイ兄たちにプレゼントすれば、きっと喜ばれること間違いなしっ!

 容量は付与時の作り手の魔力に依存する部分が大きいみたいだからな。俺が作れば大分大きいのが作れるだろう。


『真空魔法』

 一定範囲を真空にする魔法…ではなく指定範囲の空気を抜く魔法。同じように聞こえるが、いきなり真空になるワケではない、ということだな。

 これ…真空パックとか出来るんじゃないか?グラム商会長に相談だな。


『促進グロウアップ』

 成長促進の魔法。用途はいろいろありそうだけれど『発酵』は出来ないだろうか?可能なら納豆が食べれるようになるんだが…。鑑定先生の解析・改良に期待である。


『加熱ヒートアップ』

 対象を加熱する魔法。電子レンジと原理は違うようだが結果はあまり変わらない…かな?あくまでも対象の『物』の加熱であって、空間を加熱するワケではないようだ。………やっぱり『ヒートアップ』より『レンジ』の方が良いんじゃない?


『転移魔法テレポート』

 ………来たあぁぁっ!!

 遂に発見、待っていたよ転移魔法。なになに…転移魔法陣スクロールを二つ用意し、一方通行の転移が可能。重量制限あり。

 ん~~~………残念な性能である。………がしかし、鑑定先生、コレは優先で解析・改良をお願いします。多分だけれど、いろいろと効率化を図ったり、無駄な部分を削いだりすれば、単独での転移は可能だと思う。

 鑑定先生には是非頑張っていただきたい。


 まだまだ俺の知らない魔法がこの異世界には在るようだ。…中には残念なモノや効果が被っているものも有ったが。

 しかし転移魔法が有ったのは幸運だった。


 この幸運に俺は、ホクホクな気分でこの日は眠りに就いた…。

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