第175話 やっぱり完全に…
シーバスの言により、デュナメスの冒険者ギルドに足早に向かう俺ことユーリウス=フォン=ゼハールト。
何やら作為めいたモノを感じないでもないが、アイアリーゼさんの姉妹と聞いては足を運ばないワケにはいかない。
作為めいているのに行くのかって?細けぇこたぁ良いんだよっ!何かあったとしてもシーバスをO・SHI・O・KI・するだけだし…。
「ソレはちょっと酷くありませんか?」
その時は俺を嵌めようとした…もしくは俺で遊ぼうとしたお前が悪い。
とまあ、そんな感じで冒険者ギルドへの道をテクテクと歩く。
途中、いろいろな軒先の商品などに目を向けつつも、足の進む方向は変わらない。まあ、後で来よう…と、思っているだけなんだけど…。
そしてデュナメスの冒険者ギルドに問題無く、すんなりと到着。と言いつつ、俺に絡んできそうな輩はシーバスが先回りして排除していたが…ソレは問題が無い、と言って良いのだろうか?
シーバスも俺が相手をした方が騒ぎになると思っている節があるし…失礼な。俺はやる時はやる男だよ?ちゃんとやるかは別として、だけれど…。
「ユーリウス様はだいたいがふざけるでしょう?」
………否定は出来んな。
「否定してもらえると私も助かるんですがね」
………よし、無視しよう。
「無視ですかそうですか…まあ、構いませんが…」
…さ、さあ、もう到着しているんだし、ギルドの中に入ろうか。若干、誤魔化し気味に入るように促し、話を終えた。
大都市デュナメスの冒険者ギルドは都市中央に位置している。
実際にはここ数年の間に建て替えが行われ、一つの大型の建物の中に、デュナメスに存在する全てのギルドが入っている。
その建物は現代日本で言えば『区役所』が近いだろうか。区役所と言うと、何か小さくね?と思わないでもないが、ここは剣と魔法が存在する中世ファンタジーな異世界である。ソレを考えれば相当に大きいだろう。
デュナメスでは、この建物は『ギルド庁舎』『ギルド会館』などと呼ばれているようだ。入口も大きく、全面ガラス張り。さらには魔導具であろう両開きの自動ドアである。
はあ…金掛かってんだろうなぁ。という感想が出る辺り、日本の一般庶民っぽいな俺は…と思わないでもない。
中に入ると、大きな待合室に受付がズラリと並んでいた。ヴァーチェのように酒場が併設…なんてことはない。というかコレ…完全に日本の役所みたいなんですけど?
まあ、いいや…と案内板を探すと、階段の前に案内板がある辺りも日本の役所っぽかったりする。
案内板には…
五階 ギルドマスター室
四階 会議室
三階 鍛冶師ギルド 金術師ギルド 服飾ギルド
二階 商業ギルド 魔術師ギルド
一階 冒険者ギルド 総合受付
地下一階 解体場 倉庫
地下二階 訓練場
やっぱり完全に役所…だよなぁ…。
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