第174話 基本オッサンだろ?
都市デュナメスの詰所で隊長さんとのお話が終わり、義祖父さんとグラム商会長にヒートエンドするのを決めた。
その後、聴取も終わり、宿を取りに行っていた御者さんと合流。無事、宿の確保は出来たようで一安心。
詰所を出て、デュナメス内を回る時間もまだ十分にある。御者さんも一緒に回ろうと誘うが、馬の世話があるので…と宿へ戻ってしまった。
うむ、出来る人である。
シーバスには別行動で良いよ、と言ったのだが「ユーリウス様の護衛がありますので…」と護衛なんて俺には必要が無いのを分かっているのに着いてくる。
うむ、使えない奴である。
まあ、シーバスは仕事は出来るし、過去に俺にやられてからは義祖父さんと一緒に俺をからかったりと、初対面の時とは比べるまでもないくらいに柔らかくなっているので、コレで良い。…コレで良いのだが…わざと空気を読まないで俺で遊ぼうとするのは止めろよな…。
身体は鍛えているし、ビシッとオールバックにした白髪は執事然としたお前に似合ってはいるけれど、街中をそんなジジイと歩いて俺が楽しいと思わないのを分かってやっている辺り、質が悪い。
うむ、使えない奴である。
「一人にすると問題を起こした時に全て力ずくで解決するでしょう?そうならない為です」
いやいやいや、お前も最終的にはいつも結構ノリノリでやってるよねっ!?とツッコミたいが、あながち間違いでもないな…。と納得。
いや納得しちゃうのかよっ!?
まあ、ソレはソレで楽しくはやっているし、確かにシーバスや義祖父さんがいることで俺のストッパーになってもいるからな…。
仕方ない、納得はしないが同行は認めておいてやろう。
エクシア王国の人口第三位の大都市デュナメス…北部に王都エクシアを始め、東部南部西部にヴァーチェを含むこの都市は流通の面で非常に重要な王国の拠点である。
そんなワケで、何か珍しい物が集まっているであろう商業区へと向かう俺の足は軽く「オラ、ワクワクすっぞ」…と、どこかの戦闘民族のような感じで歩を進める。
「ギルドには寄らなくても良いのですか?」
シーバスが聞いてくる。
…ギルド?別に行かなくても良いんじゃないか?俺は学生で仮冒険者だし、そもそも用も無いし、そんなフラグしか建たなそうな場所に行きたくないし、アイアリーゼさんいないし。
「最後の言葉に力が込もっているのは気のせいですかね?」
…気のせいですよ、シーバスさん。
コレで変なフラグを建てて、かつ冒険者ギルドなんて基本オッサンがギルドマスターであろう場所に行くなんてあり得ないから。アイアリーゼさんは特別だからっ!
「そうですか…確かここのギルドマスターはアイアリーゼ殿の姉妹だったような気」「すぐに冒険者ギルドに向かうぞシーバスッ!ぐずぐずするなっ!」「…かしこまりました」
そして俺は足早に冒険者ギルドへと足を向ける。シーバスの口元が僅かに上がっているのに気付かずに…。
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