第157話 詰めますけど?
「おい、貴様っ!他に言うことがあるだろうっ!これで終わりだと思ってでもいるのかっ!?」
さっき被せてきた取り巻きの一人が言う。
えっ!?終わりだろっ!?これ以上なんかあんのっ!?…と思いつつも無表情を保ち、リリアーナ王女にチラリと視線を移すと困ったような笑みを浮かべている。…というか若干引いてないですかね?
よく見ると他の取り巻きの方々も引いているように見えるですけど?そんな引くくらいなら、先に止めてくれませんかね?
まあ、このいちゃもんをつけてくる奴の立ち位置がなんとなく分かったけれども…。
しかし…『言うこと』ねえ…。全然分からんのだが…。王族に対する礼儀的な何かが在るのだろうか?
「………………」
いや、分からんな。異世界での学生生活は初めてだしな…まあ、王女様を見る限り、へりくだるようなことはしなくても大丈夫だろう。
なら…
「特にありませんね…では失礼します」
ペコリと頭を下げ、一歩下がり、くるりと回れ右。俺は華麗にその場『ガシィ』…を去りたいんですけど?
「おい、ちょっと待てゼハールト。貴様、ソレで済むと思っているのか?」
肩を掴まれ止められ、そんな言葉を投げ掛けられるが…。
えぇ~…なんかあるの?マジですか?分からんし、知らんのだけども…。メンドイなぁ…。…あとメンドイ。
「はぁ………王女殿下が何も言っていないんだ、もう済んでいるだろう」
「何っ?」
俺は大きく嘆息し、そう言葉にする。王女…そこで「うんうん」頷いてないで、コイツ止めてくれませんかね?周りの奴らも…頼むよ。
「それとも何か?王女殿下がそれでも俺に何かを求めているとでも言うのか?なら教えてくれ、今すぐ、ここでっ!」
「ぐっ…」
王女は「えっ!?
まあ、言われなくても詰めるけど…。
「ほらっ、今聞いてやるって言っているんだ…早く答えろよ。それとも…王女様には聞かせられないか?」
「そんなこと、在るはずないだろうっ!!」
「怒鳴るなよ…ちゃんと聞こえてる。まあ、なら…言えるんだろう?ほらっ、言えよ、早くっ」
「うぐっ…」
ま、この様子だと王女様に従わない俺にいちゃもんつけて格好つけようとしただけかな?俺がすぐに頭下げて謝るとでも思ったのかね?…で、嗜めた俺カッケーみたいな?
…で周りの奴らの反応を見る限り、どっかのお偉いさんの子弟かなんかで、自分たちじゃ口出し出来ない…みたいな感じかなぁ。
さてさて…。
コイツ………どうしようかなぁ…。
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