第156話 金髪縦ロール…だと!?
ゼハールト家のエアコンを部屋ごとに全て設置し終えてからはグラム商会に製造方法を伝えた。これ以上やってられるか。
当然、出来るだけ安価で売るように話を通したので、商会長は新たに工場を建設、稼働させた。
ヴァーチェの雇用状況はさらに良くなり、グラム商会とゼハールト家も潤った。もちろん、俺のお小遣いも増えたことを報告しておこう。
俺は満十三才を迎え、学校を順調に過ごす。
たまに貴族クラスの奴に絡まれたり、冒険科の貴族に絡まれたり、ギルドで冒険者に絡まれたりしているが、特に問題は無い。
本当に問題無いのかって?
大丈夫。問題無いって言えるくらいに精神的に追い込んでるから全然問題無い。
いやいや、それは問題だろうって?
いや………あとは知らないよ。仮に何か有ったとしても、ぶっ潰すもの…。
そんなこんながあり、学園生活も数ヶ月…厄介な奴が絡んできた。
俺はどうでもいいよ…と思っていたから完全にノーマークだったのだか…。
絡んできたのは生徒会。
その二年生と三年生。そして三年生は生徒会長でもある、この国の第三王女である…。
『リリアーナ=フォン=エクシア』
まさかエクシア王国の第三王女様が陞爵したとはいえ男爵家の五男に話し掛けてくるとは、全くもって思っていなかったのだが…。
「ユーリウス=フォン=ゼハールト…いえ、ユーリウス君、と呼ばせてもらうわね。貴方には生徒会に入っていただきたいのだけれど…どうかしら?」
リリアーナ王女殿下…貴族家令嬢にいそうな金髪縦ロールの美女…いや、美少女か…。が話し掛けてきて、そんなことを言う。
俺は当然…
「すみません、御断りさせていただきま」「貴様っ!王女殿下の誘いを断ると言うのかっ!?」
いや………今、御断りさせていただいているんですが…。何なのお前?誰?あと被せんな。
「お止めなさい。私はお誘いしただけ…決して強制ではありません」
「はっ、申し訳ありません、王女殿下」
…え~~~っと、俺…何か言わないと駄目かな?………駄目そうだな…。………しょうがない。
「申し訳ありません、王女殿下。私は冒険科、ということもあり、放課後はまともな活動が出来ないかと思います。お誘いは非常に嬉しいのですが…」
「いえ…お誘いしたのはこちらの方です。貴方が頭を下げることではありません。ごめんなさいね、突然…」
少し困ったような笑みを浮かべ、謝罪をするリリアーナ王女殿下。その所作は洗練されていて、とても美しく見える。
普通ならばこれで終わりっ!で良いのだが、そうは問屋が卸さなかった。
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