第150話 久しぶりに…

さらに翌日、服飾職人と錬金術師の工房を訪ねる。

白いスライムの確かな情報は得られなかったものの、着色方法や着色材、錬金術に使う薬品や素材など、他にも興味を引かれる物があったので大量に購入。

あ、大量と言っても卸しに困らない程度にね。


しかし、こうなるとアレだな…。薄くしても軽くて硬い素材にダイノックシートみたいに白の素材を貼る方が早くないか?と思い始める。

いや寧ろ、そっちの方が確実まである。…と方針を検討。


「………………」


一応、冒険者ギルドで情報を集めてからにしておくか…。と十中八九方針を変えたであろう自分の思考は置いておいて、アイアリーゼさんに会いに行こうと決めた。


さらにさらに翌日、授業を終えて冒険者ギルドへ。

今日は冒険科の授業は講義だったので学校からギルドへ向かった。


「おっ!?何だ何だ、学生が何の用だ?」


ギルドに併設されている酒場の冒険者たちに絡まれる。

…しまった。いつもギルドに来るときは冒険者装備をしたクラスメイトたちと講師の冒険者と一緒だったから油断した。

ま、俺はいつも通り制服なんだけど…。


「ここは子供ガキの来るとこじゃねえぞ、さっさと…」

「こいつ、貴族の子供か」

「貴族の子供なんて余計に来るとこじゃねえな」


なんか…アレだな。絡まれるのも久しぶりだな。…と考えていると…


「おい、話聞いてんのか?」

「お貴族様は俺らとはお話しませんってか?」

「さっさと回れ右して帰りなっ」


なにやら俺が無視しているように見えるみたいだな。ま、聞く気も無いんだが…。

というかギルドもアレだよなぁ、酒場なんか併設するからこうなるのに…。分かってないのか分かっててやってんのか分からんな…。


「無視を決め込むみたいだな、このお貴族様はよぉ…」

「どうやら痛い目見ないと分からないらしいな…」


ガタッ…と数人の冒険者たちが立ち上がる。台詞も行動もお約束通り過ぎるんだが、面倒だな…。


「ああ、すまんすまん。無視するつもりは無かったんだ。そのまま座って飲んでてどうぞ」


「このお貴族様はどうも俺たちをバカにしているらしい…」

「ふざけた子供だぜ…」

「一体どういう教育されてんだか…」


アレ?何か変な風に聞こえた?あとお前らに教育うんぬんは言われたくねぇ。

しかし、こいつら…貴族の子弟だと分かってもやる気満々なのは何故なのか…?ああ、もう指バキバキ鳴らし始めてるし…。

仕方ない…面倒だが………非っ常に面倒だが…


シメるか…コイツら…。

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