第135話 二階層~三階層 広間③
「魔石一つ」
「「「………えっ?」」」
「魔石一つで部屋、魔石一つで食材一人分、魔石一つで風呂一回………どうだ?」
俺は現在のパーティーメンバーと俺たちに着いてた冒険者一人に提案する。お互いが顔を見合わせ、次には…
「「「お願いしますっ!!!」」」
深々と頭を下げていた。全員が右手に魔石を三つ載せて…。
冒険者さんは自分の分は用意しているようだが、興味からか俺に頼んできた。魔石はわざわざ三階層に降りてゴブリンを狩ってきていたのだが…あ、風呂に入りたいのと暖かい飯が食べたいのね。
そして…
「ユ、ユーリウス君………その俺たちにもお願い出来ない…かな?」
「わ、わたしたちも…その…お風呂、入りたいんだけど…ダメ、かな?」
フィィィッシュッ!!
クックックッ…釣れたな。餌に群がるかのように、全員があっ!!
「魔石二つ」
「「………えっ?」」
「さっきはパーティーメンバーだったからな。他の人はそれぞれ魔石二つなら良いぞ」
俺がそう言った次の瞬間、全員が右手に魔石を六つ載せて、頭を垂れていた。
冒険者さんたちも全員だ。
俺は全員から魔石を受け取り、袋に入れる。ジャラジャラと心地良い重さだが、単純に儲けるために集めたワケじゃない。
この集めた魔石から魔力を抽出、俺の魔力の代わりに使い、魔法を発動させるワケだ。
使用するスキルは『
ちなみに『
そして俺は魔石から魔力を吸収しつつ、魔法を並列起動。部屋を七、風呂を一、台所を一…これをワンセットにして『建築』。広間にいくつもの魔方陣が浮かび、一斉に建ちあがっていく。
これには冒険者さんたちも驚いたようで、目を見開いて、顎が落ちそうな顔になっていた。冒険科の奴らは「ま、ユーリウス(ゼハールト)だし…」で済ませているのは納得いかん。
それなりに大変なんだよ?並列起動。
使用した魔石は、受け取った魔石のだいたい半分くらい。残りは俺の儲け分である。
ちなみに建てた後に魔導コンロと魔導混合水洗を借りにきた人たちもいたが、それぞれ魔石二つで貸し出した。
さらに追加で調理器具。こちらはワンセットを魔石一つである。
これらは『無限収納』内で作成可能なので、受注生産的な感じで造って貸し出しだ。この辺は『アイテムボックス』の時には出来なかったことなので『無限収納』の優秀さが輝く。
まあ、こんな感じで…ちょっと手を出しすぎた感はあるが、儲けも出たし、全員がダンジョン内で快適に過ごせたんだから、結果オーライ…的な?そんな感じ?…ってことで。
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