第134話 二階層~三階層 広間②
「『
『部屋建築』から少し離したところに浴場が建つ。これも『記憶』からの土魔法でお手軽建築である。コピー元は家の庭に造った最初の浴場だったりする。
しかし『記憶』とはいえ魔導具を土魔法では再現できないので、容れ物だけである。混合水洗型給湯魔導具は別に『無限収納』に入れてあるので問題無い。
ちなみに『浴場』なので本来は『バスハウス』が正しいのだが響き的に『バスルーム』を採用している。
そして広間にいる全員が…
「「「………………はぁっ!!?」」」とか「「「………えええええっ!!?」」」とか呆けていたり騒いだりしている。………うるさい。
続けて…
「『
先に建てた部屋の横に台所が建ちあがる。これも簡易的に造ったものを『記憶』しての土魔法。簡単なシンクにコンロのスペース。あとは腰高のキッチン台がシンクの後ろにあるアイランドキッチン風味にしてある。
コンロと水洗は後付けで魔導具が必要だ。冷蔵庫なんかも欲しかったが作成が面倒だったのでクーラーボックス的なものに氷魔法で創った氷を敷き詰めておけば良いようにしてある。
こんなもんか。
部屋のベッド台にマットとマットレス、枕と布団を用意して…完璧だな。
俺は魔導コンロ…は出さずにやかんを出し、コンロ台に置く。魔法の火でやかんに入っている魔法の水を沸かし、土魔法でティーカップを作成、硬化。グラム商会との事業の一つで作り上げたティーパックで紅茶を用意する。
土魔法で造った椅子にクッションを置き、優雅に座りながら紅茶を一口…
『ずずず…』
「………ふぅ。………美味い」
「「「美味い………じゃねえええっ!!?」」」
「「「なんだそりゃっ!?なんだそりゃあああっ!!?」」」
………うるさいな。
「ユーリウス君………ソレは一体?」
…ん?俺の夜営のための準備だな。
「ユーリウスさん………我々には…」
はっ?見ての通り一人部屋だが…
「いや、その…使ったの魔法だろ?俺たちにも…作って欲しいなぁ、なんて…」
やれやれ…これ一つ作るのに、どれだけの魔力が必要か分かって言ってる?
「いや、ごめん…」
「ユーリウス君………わたし、お風呂使いたいなぁ、なんて…」
別に良いけど、給湯の魔導具とかアメニティとか用意してある?
「ごめんなさい…」
しょぼーんとして戻るみんなに心が痛まないでもないが、"ただ"は良くないからな。
ちなみに使用魔力は大したことはない。細かい調整をしながら、ということもない、決まった形を作り出すので、決まった魔力を注ぐだけだ。
スキルのレベルも上がっているので必要魔力も軽減されているし、そもそもの魔力量が桁外れに多いからな。
さてさて、そろそろ助け船でも出してあげようかな?
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