第130話 ゴブリン迷宮 二階層

ゴブリン迷宮の二階層に足を踏み入れる。

同組のパーティーと合流したが、戦闘の疲れ…と言っても然程でもないが…をとるため小休憩。


「なあ………さっきの戦闘…余裕と言えば余裕だったけど、普通のゴブリン…若干強かったんじゃないか?」

「ああ、それは俺も感じたかな」

「私は後ろだったから、分からなかったですね」

「アタシも分からなかったかな?」


「リーダーへの『火球』の牽制は良かったな」

「そう?なら良かったわ」

「支援魔法も有ると無いじゃ天と地の差だな。守りも攻撃も一段階上になる」

「そうだな。無ければ矢があれだけ深くは刺さらなかったんじゃないかな…」

「あ、ありがとう」


休憩中は戦闘のことを振り返り、感想や確認をする。

ちなみにゴブリンリーダーがいるとお供のゴブリンは若干強くなるらしい、とは鑑定先生情報。実力的には余裕だと思ったので教えなかったのだが、よく気が付いたな…。

俺には前世の経験やら鑑定先生がいるからわかるけど、鑑定が無かったら気付かない自信がある。


じゃんけんで決まったメンバーではあるが、意外とこの五人は相性とかも良いのかもしれない。俺じゃなくて、ちゃんとした中衛を見つけてね。


「よし、そろそろ動くか」


「「「応っ!!!」」」

「「はいっ!!」」


小休憩を終わらせ、二階層の探索を開始する。


二階層からは通常のゴブリンにゴブリンソルジャー、ゴブリンアーチャーが加わった編成を相手にしなくてはならない。

しかしゴブリンリーダーがいなければ連携もなにもなく、好き勝手に動く。アーチャーの弓に注意を払っていれば問題無く討伐できた。


戦闘を重ねる度にお互いに声を掛け合い、連携もよくなっていく。俺が指示を出したのは所見から二、三回だけで、あとは自分たちだけで動いていることに気が付いているのだろうか?


俺は偶に後ろからくるゴブリンにだけ、ソッと対処し、彼ら彼女らには前方での戦闘に専念してもらう。本職の斥候スカウトがいたら後方警戒もさせるんだけどな。


同組のパーティーは若干危なっかしいところもあるが、お互いのパーティーが交互に戦っているからか、スタミナに不安はあまり無いし、多少の余裕は見てとれる。危なっかしいのはゴブリンアーチャーの矢の対処だけだ。


向こうのパーティーが矢の対処に慣れてきた頃、俺たちは二階層ボス部屋の前に到着した。


そして…


ここで問題が発覚。

比較的余裕だったからこそ、ここにくるまでに気が付かなかった…。


「お前ら…何で回復薬ポーション類用意してねぇんだよ…」

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