第124話 いねえな…。
休日………休む日と書いて休日だ。
なのに…
なのに何故…
俺は
…そんなのは分かりきっている。
そう…アレは前日のことだ。
俺が自主休講もしくは自宅警備に専念すると読みきっていたクラスメイトたちはゼハールト家に突撃してきた。
それも俺を連れてこれるであろう確率が高いメンバーを揃えて、だ。
貴族家に突撃するとは恐れを知らない奴らだ、と思っていたのだが、ゼハールト家の家族は家族で「ユーリウスの友達がやって来たっ!」とはしゃぐ始末である。
おいっ、バカにすんなっ!俺にだって友達くらい…友達くら………い………………異世界来てからいねえな…。なにそれ泣けるっ!?
と俺は謎の大ダメージを負う。
そしてクラスメイトを歓待するゼハールト家。おい、はしゃぐなっ。
レイラ母さんに至っては…
「どの娘がお嫁さん?」
とか聞いてくる。いませんが何か?
おいっ、そこっ、何照れてんだっ!?止めろ止めろぉっ!
おいっ、そっちはセイ兄に絡むんじゃねえっ!セイ兄の顔が真っ赤じゃねえかっ!?
レイナを菓子で釣ろうとするなっ!
義母さんたちも一緒に風呂に入る約束とかすんなっ!?
おいっ、ジジイっ!酒持ってこっち来んなっ!自室に帰れっ!
義兄さん義姉さんたちも、俺の学校の様子を聞こうとしないっ!
ああっ、くそぅっ!収拾がつかないって言うより、ツッコミが追いつかんっ!!
クラスメイトたちもよく分かってやがる。俺が敵対しない女子には若干弱いことを。そして見事に家に来たのは女子ばかりである。
さらに選抜メンバーはまさに選抜されていた。みんながみんな、貴族家三女四女で固められていたのである。
そりゃ家に来ても物怖じしないわな。
そんなこんながあり、翌朝にはしっかりと両サイドどころか前後も堅められ、ほぼ完璧なフォーメーションで俺は迷宮ダンジョンへと連れて行かれたワケだ。
また…この日、風呂に入った女子たちは家が王族にしか卸していない最高級のボディーソープやシャンプーリンスを使っているのがバレ、俺の知らない間に母さんや義母さん、義姉たちとのお泊まり会がこの後でも開催されるようになったのは余談である。
さらにメンバーは入れ替わり立ち替わりで、冒険科のみならずその他のクラスにも伝わったらしく、家に来たことのある女子はとんでもない人数になっていたのだが、俺やセイ兄、義兄たちと深い関係になった者はいない。
ちなみに来たことの無い女子は貴族至上主義や人族至上主義の者たちばかりである。その辺りはちゃんと選別してくれるんだね…。
その前にいろいろと遠慮して欲しかったよ…。
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