第122話 そういうところ見てるぞ。
人気のメイドカフェに入店した。
これだけだと字面がおかしいような気がする…。正しくは連れてこられた…である。
まあ、それはいい…。
入店時は、やはり人気店だけあって最初は人数的に入れなかったのだが、この店のマスターと打ち合わせをしていたグラム商会長の二人に俺が見つかり、いつも空けてる二階席を開けて通されたのは余談である。
…でクラスメイトは注文をしてから、百貨店で装備の下見をした感想を言い合うのだが…
「………何で商会長がいるんですかね?しかもわざわざ俺の隣に陣取って…」
「別に良いじゃろう?商会長として意見も求められているようだし?」
くっ………確かにグラム商会の商会長だ、と紹介はしたが、まさかクラスメイトたちが同席を求めるとは思わなかった。
なので反論する理由も無かったりする。
「しっかしユーリウスが商会長の知り合いとはなぁ」
「言ってくれれば良かったのに…」
「なぁ」
「ねぇ」
「家の付き合いだからな…わざわざ言うこともないかと思ってな…」
グラム商会がここまで大きくなったのにガッツリ関わってる、とは言えないし、商会長もそこは言う気がないようだ。
注文の品も届き、紅茶やクッキー、ケーキなどをつまみながら話が弾む。
その中にグラム商会長が交ざっているのには違和感しかないが。
男子共はメイド服を着た店員さんに目が釘付けである。注文品をテーブルに置いてもらう時など顔を赤く染めながらテレテレしていたのには微笑ましさすら覚えたが…。
…女子はそういうところ、しっかり見てるぞ…。
まあ、釘付けになるのも仕方がない。メイド服は俺考案でミニスカートのタイプを専門家に可愛くリファインしてもらった物だからな。
この世界の一般的なメイド服はロングスカートの日本で言えばクラッシックなタイプだし、落ち着いたイメージだろう…。
それがここでは眩しく健康的な太ももがガッツリ出ているからな。釘付けになるのも仕方がない。大事なことなので二回言いました。
えっ?
「良い武器防具は見つかったかね?」
グラム商会長がみんなに聞く。
「そうですね…思っていたよりも安い物が多かったのに驚きました」
「あっ、それアタシも思った」
私も俺も、と続く。
「その分、ランクが低い物が多い印象でしたが…」
「ウチの店ではわざとそうしているんだ。何故だか分かるかい?」
「………わざと?」
「………なんでまた…?」
グラム商会長が、その言葉を待ってました!という顔をする。………頼むから余計なことは言わないでくれよ…。
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