第92話 魔導具を作ろう!①

何か『無限収納インベントリ』に手突っ込んだら、転生前に持ってた物が大量に入ってました。


…何やらラノベのタイトルに在りそうな感じではあるが入っていたのでしょうがない。

前世、勇者時代の最終決戦時の状態だったので『上級回復薬』やら『万能薬』やら、やたらと上位のアイテムや、『完全回復薬』『神酒』『世界樹の枝』なんて伝説級の物まで大量に…。

あ…『インゴット:金』とかあるじゃん。これで資金も…。

とりあえず『インゴット:神銀オリハルコン』とかは見なかったことにしよう…。


『無限収納』の中身は今度ちゃんと確認するとして、今はお風呂用魔導具の制作をしないとな。


もちろん、制作前にお湯が魔導具って在ったけかな?と探しては見たが無かったことを報告しておこう。

まあ、売っていた覚えもないし、創った覚えもないので、当たり前と言えば当たり前なのだが…いや、決して創るの面倒だからとかの理由で探したんじゃないよ?もう在るなら創る手間省けるな…とか思ってないよ?…ホント。


「確か…在ったよな…」


俺は『無限収納』を起動。何も無い空間に黒い穴が現れる。

俺は穴の中に手を突っ込んでごそごそと手探る。…とは言っても手を突っ込むと脳内に収容されている物がリストアップされ、自動で検索が掛かって、求めている物をパッと掴めるんだが。

この辺りは『アイテムボックス』と変わらないな。


そして、俺はいくつかのアイテムを取り出す。


・火石

・水石

・聖石

・インゴット:銅


さて、何から手をつけようか…。


とりあえず蛇口からかな…。

俺は『インゴット:銅』を蛇口の形に加工していく。スキル『神の指』に統合されたが『加工』を持っているので、比較的楽に形を変えられる。

蛇口の混合水洗の形にした。この国で珍しかったとしても知らん。


蛇口の形が出来たのでハンドル部分の方からちゃんと水が通るか確認。ハンドル部分側に『水石』をくっ付けて石に魔力を通すとハンドル部分反対側、吐水口から水が出るのを確認。…よし。


次は、蛇口が銅製なので錆びないように処置しなくては。


『聖石』を水が通ったら『浄化』が発動するようにするのだが、これには『彫金』スキルを使う。『彫金』も『神の指』に統合されているので問題無い。


俺は『無限収納』から昔使っていた彫刻刀を取り出す。

この彫刻刀…刃が無駄にミスリル製だったり何気に高価な代物だったりするんだけど、魔力の通りが良く、切れ味も良いので結構重宝したのだ。

…したのだけれど…


「………………」


俺の手が小さくて使い難いんだが…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る