第85話 『雷の鉄槌』
日本人の頃…アニメや漫画などでたまに視たり聞いたりしたことがある神様『雷神トール』。あ、ゲームでも見かけたかも…。
まあ、神話とか伝説とかを調べたりとかはしたことないから、たくさんいる神様の一人なんだなぁ…くらいの認識だったワケだ。
そもそも『
前世…勇者に転生してファンタジーな世界の住人になってからは神様には会ったことは無いが『神託』スキルやら『神造武具』やら神様がいないと説明がつかないようなことから、存在すること、は信じるようにはなった。
まあ、信心があるかと言えば、それはまた別の話である。
まあ、そんな中…勇者になった俺は「雷属性かっこよくない?」な感じで多様し、その中でもお気に入りだった広範囲雷属性魔法がこの…
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俺が『隠蔽』を解除するとゴブリンたちの集まっている直上に巨大な魔方陣が二つ姿を現す。
魔方陣への魔力充填は既に完了している。
一つは広範囲攻撃魔法…。
もう一つは結界魔法だ。
結界魔法の魔方陣は、その魔方陣の外周が直下に伸びる。無色透明なソレはゴブリンたちには見えておらず、離脱した義祖父さんとシーバスを追おうとしていた者たちはムギュッとつっかえていた。
そう…ゴブリンたちを魔方陣の外周内に閉じ込めるため、そして広範囲魔法の音や衝撃を漏らさないための結界である。
もう一つの魔方陣は今か今かと激しく発光し、その周りは雷属性らしく激しくスパークが起きている。
もう準備は終わっている…待たせたな。今、解き放ってやる!
『
激しく発光していた魔方陣はさらに光を強め、次の瞬間…
『………ズンッ』
結界に沿って直下に極太の雷が落ちる。
ソレは雷と言うにはあまりに太く大きい…例えるならゼロカスのツインバスターなんちゃらが近いか…。
魔法と言うには長い放出が終わり、光線が細く終息していく。結界の内部は外周に合わせたようにクレーターが出来ていたが他には何も残っていなかっ………いなかったあああっ!?
「おい、ユーリウスよ…」
「はい…」
「レベル上げは構わないし、成功じゃったろう…」
「はい…」
「お前…素材がどうとか言っておらんかったか?」
「言いました…」
「………………」
「………………」
「全部っ消し飛んどるじゃろぉっ!!」
「さぁせんっしたぁっ!!」
俺は流れるようにジャンピング土下座をかまし、頭を下げた。
レベルは12になってた。
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『雷神の鎚』の方が良いかも、と思ったり思わなかったり。
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