第84話 喰らえ!

【祝】100,000PV突破!

いつも、ありがとうございます。


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盾役である義祖父さんがスキルを持っていないはずの『挑発』をなぜか成功させ、シーバスがトレインしてきたゴブリンたちの攻撃を一身に受ける。


義祖父さんに盾役をさせている絵面は大分アレだが、今のパーティーは初老のオッサン二人にセイ兄(六歳)、俺(三歳)という構成なので一番マシかと言えばマシか?


ゴブリンたちがゴブゴブ言いながら義祖父さんに一斉攻撃をするも…


「フハハハハッ!………効かあぁぁぁんっ!!」


と弾き返す。

盾で受け止めているのではなく範囲を拡張した魔法『シールド』を使用しているのだ。あれは無属性の魔法かな?

何故ノックバック効果があるのかは知らないが…うん、見なかったことにしよう。


ゴブリン集団の後方からゴブリンキングが上位種を引き連れて義祖父さんに近付いて行っている。周辺からは残りのゴブリンたちをシーバスが集めてきている。

もう少しでセイ兄のスリングの範囲内になる。


もう間近…というところで俺はセイ兄視線を移す。緊張はしているようだが…冷静に戦況が見えているようだ。

これなら大丈夫だろう。


視線を義祖父さんの方に戻す。

ゴブリンナイトやジェネラルなどの攻撃も義祖父さんはものともせず、ゴブリンメイジの放つ『火球』などは『魔法盾』で防ぐ辺り余裕がありそうだった。

あの数を捌ききる辺り、義祖父さんの強さは中々のモノだろう。


しかし、そんな義祖父さんでもゴブリンキングは別だったようだ。

キングは他のゴブリンたちの攻撃の合間を縫って絶妙なタイミングで攻撃を仕掛けてくる。そしてキングの持つ大剣による攻撃は義祖父さんの『盾』を破り、盾での防御を否応なくさせられていた。


「ぬぅっ…やるっ!」


と言いながら即座に『盾』を張り直すのは余裕からなのか、豊富な経験からなのか。


シーバスが残りのゴブリンを引き連れて合流する。そのまま撹乱しつつゴブリンを義祖父さんの周辺に押し留める。


「よし、セイ兄っ!」


「うん!」


セイ兄が散弾型改良スリングを握りしめ構える。


「ん~~~、えいっ!」


攻撃力のまったく無さそうなかけ声だが俺の支援系付与魔法により最低限はある。

バラバラと小石が集団に降り注ぐ。何度か繰り返し、用意していた数が終わる。

キングにも小石が当たったのは確認した。


「マリウス様、退きます」

「うむ」


俺が声を掛ける前にシーバスがその場から退き始めたが、ちゃんと確認していたのだろうタイミングばっちりである。


残すは俺のお仕事である。


俺は練り上げていた魔力を開放する。ゴブリンたちは義祖父さん、シーバスを追おうとしていたが俺の魔力を感知したのかビクッと動きが止まった。


俺は自身とセイ兄以外に使用していた『隠蔽』を解く。

ソレはゴブリンたちの集団の上…空中に巨大な魔方陣が現れ、俺はその魔方陣に練り上げた魔力を注ぎ込む。


ゴブリンたちは突然現れた魔方陣にゴブゴブ言って動揺しているようだ。上位種も、キングも…。


良いのか?動揺なんてしていて。魔力の充填はもう終わったぞ?

さあ、喰らえ…。

前世…勇者時代に好んで多様していた広範囲魔法…



雷の鉄槌トールハンマー

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