第86話 次の目的!

無事、レベルは上がり作戦は成功。魔物が落とす素材やら魔石については…まあ、良いだろう。


「良くはないがな…」


「はい…」


良くはなかった…。


セイ兄もレベルはしっかり上がり、ホクホク顔…ではなく、レベルアップ酔いだろう症状で顔を青冷めさせ辛そうだったので今は魔法で眠らせて夢の中の住人だ。


俺は称号の影響で経験値に補正が入って、もう少しレベルが上がってても良かったんじゃないかな?と思わないでもないが…ま、良いか。


「良くはないがな…」


「ごめんなさいっ!」


とりあえず、ご機嫌斜めな義祖父さんがアレなので『マップ』で近くに魔物がいないか検索。比較的近くに森狼フォレストウルフの群れがいたので、それを義祖父さんに教えると嬉々として向かって行った。


「シーバスは行かなくてもいいの?」


「私はそこまで戦闘が好きではありませんし、今はセイリウス様がいらっしゃいますので」


ソレは暗に義祖父さんが戦闘狂だと言っていないかね?別に構わないが…。

まあ、今はシーバスは眠っているセイ兄を抱えているしね。


~~~~~~~~~~~~~~~~


森を出て馬車に乗って義祖父さんを待つ。義祖父さんは無事、森狼を倒し、その素材を抱えて帰ってきた。


「ふん…森狼じゃあ相手にならんな」


と言いつつも無傷で群れを倒しニヤニヤしているのは自慢がしたいのだろうが…


「お帰り」


「お帰りなさいませ」


と俺とシーバスの二人にはまったく響かないので簡単にそう返しておく。セイ兄はぐっすりである。

義祖父さんはちょっと寂しいそうに馬車の屋根に素材を括り付けていた。

おい、執事。そこはシーバスが動いてやりなさいよ。


さて、ヴァーチェに帰るのだが少し時間がかかったか…日が落ちてきてしまっている。

俺は馬に『敏捷強化』『持久力強化』の支援系付与魔法を掛けて移動開始。

移動中に『体力回復スタミナヒール』を掛けてあげていたら、本邸に帰ったあと馬に懐かれた。

単純だが可愛いヤツめ、と思ったのは内緒である。


帰宅後は食事を摂り、身体をお湯で拭いたら就寝…といきたかったのだが…ここで俺は気付く。


「何故、今まで気付かなかった…本邸だというのに…風呂が無ええぇっ!!」


俺の次の目的が決まった。が今日はもうやる気が無いので明日にしようそうしよう。

とりあえずは飯だ。色々な調理法、調味料をゲットした我が家の料理長エルディアの料理に舌鼓を打つとしよう。

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