第61話 KA・RA・SHI・MA・YO
グラム商会に連れ出され、商会内での唐揚げ発表、そして連日の唐揚げパーティーが開催された。
結果、商会長は唐揚げに撃たれ、マヨを浸けて再び撃たれ撃沈。俺から追撃として商会内にあったカラシと胡椒の味変にさらに撃たれ、止めにからしマヨをお見舞いしてやった。
俺的には「悪くはない、悪くはないが…やはり塩唐揚げとしょうゆ唐揚げとの相性があるなぁ…」と記憶の向こう側のしょうゆ唐揚げに思いを馳せることになったのだが、カラシがこちらに存在していたことに喜びもした。
カラシは帰りに買っていこう…。
ちなみに同行していたシーバスとエルディアの二人もからしマヨにKOされていたのは見なかったことにする。
グラム商会長は今までは仕入れだけだった鶏肉を事業化することを決意。俺からは出来るだけ安く販売して一般にも広まるようにしてほしいということと、事業事態を独占しないで他商会、商店にも広めてほしい、と希望を出す。
「理由は?」と当然聞かれるが…
「世間一般に広まれば当然…とまでは言わないが新しい料理が出てくるだろう?」
俺の答えに「なるほど…」と納得したようだ。
しかし普通ならなんとなく良い場面のはずなのだが、お腹を膨らませて横になっている商会長のせいで台無しなのは内緒である。
あとで店員さんに胃薬を用意しておくように言っておこう。
商会を出てシーバスに抱えられながらエルディアと三人で歩く。
「精肉店」を見にいこう、と言うとエルディアが「ん?鶏肉ならグラム商会で買っておいたぜ」と言う。
甘い、甘いよエルディアくん。マヨが合うのが唐揚げだけだと思っているのかね?
「なん…だとっ!?」
いや驚いているけどアレ、調味料だから。
まあ、実際には鶏肉を買う時は一羽買いとか他の肉もブロック買いとか現代日本人の感覚的に無駄が多過ぎる感があるからなんだけれど…。
だいたいエルディアくん、唐揚げだけ作るつもり?他の部位はどうするの?昨日の分だって大量に残ってるのに、また何羽も買って…。
しまったっ!?みたいな顔しても許さんよ?
しょぼーんとしたエルディアが若干鬱陶しいが通りの商店を一つ一つ見れるようにシーバスにはゆっくり目に歩いてもらう。
屋台なんかも出ているが焼くか煮るかしか見当たらない。
建物の造りを見る限り、そんなに文明が進んでないこともないんだけどなぁ。何で調理法なんかは少ないんだろうか?
そして精肉店に限らず色々見ていた俺の前に、建物の造りや店構えがまったく違う、異国情緒溢れる一軒の店が現れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます