第45話 確信犯だな…

能力査定スカウター』=相手の戦闘力を可視化するモノクル型の魔導具。


シーバスの着けていたモノクルが有能な魔導具だと知ったのは良いが、誰だ、名前付けた奴は?え?異世界人が作った?………絶対日本人だろ。………いや、あの作品は海外でも人気だから分からんか…。


有能ではあるが弱点もある。

対象がスキル『隠蔽』持ちだと戦闘力が読み取れず、スキル『偽装』で偽装されているステータスを読み取ってしまう。

スキル『看破』が付与されていればそれらも関係無いのだが、『能力査定』と『看破』を同時に備えた物は無いらしい。

らしい…というのも、国宝級の物に値するので何処かの国には在るかもしれないし無いかもしれない、ということのようだ。


聞いている限りではあるが、異世界人が作ったんだろ?自分専用に作った上位互換の物とか在りそうなんだが…。


「………………」


「………………在りそうですね」


ちなみにシーバスのモノクルは正確には異世界人が作った物のレプリカである。

どうやらその異世界人は魔導具作成の技術を体系化し、広めたらしい。


そういえばシーバスを『鑑定』した時、妨害されたな…。と聞いてみると…


「このネクタイピンが『妨害』の魔導具です。但しこれは『能力査定』に対してのみ効果を発揮する物で、それ以外には用途はありません」


へぇ、特化型なワケか…。


「しかし………『鑑定』持ちとは伺っていませんでしたが?」


わざわざ言うワケ無いだろ。


「………そうですね」


ちなみに『鑑定』先生は『妨害』されたのが気に入らなかったのか、その後『看破』を取得、無事『鑑定』に統合されていたりする。


さらにシーバスに聞いた話によると『能力査定スカウター』と呼ばれているのはモノクル型のみで他の『能力査定』が付与された魔導具は決まった呼び方は無いらしい。

製作者め…確信犯だな。


しかし魔導具か…。


俺も『錬金術』持ってるし、練習すれば色々作れそうだな。前世の勇者の時は戦闘ばっかりでそんな暇無かったし…。

うん、ちょっとやってみるか!


…と軽い気持ちで魔導具作りに手を出したが、作り方の勉強から始め、素材集めに掛かる費用など、ちゃんと作れるようになるのに数年掛かるとはこの時の俺が思っていなかったのは言うまでもない。


まあ、プラモデルの改造?ミキシング?的な要素があるのか、個人的にこの勉強は嫌いではなかったりしたのは幸い…かな?

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