第34話 あれから一週間!

俺がゼハールト家本邸に着いてから一週間が経過した。

この一週間、何があったか簡単に…。


第一夫人、第二夫人は謹慎…というか、自室から最低限しか出てこなくなった。理由は簡単に俺を恐れてのことだろう。食事も自室に運び込んで摂っているようだ。


執事長のシーバスは目を覚ました後、すぐに俺と兄姉に謝罪をし、今は何故か俺の専属として付き従っている。以降は今までの鉄面皮は何だったの?と言わんばかりの穏やかな笑みを浮かべながら仕事に従事している。そして、やはり出来る奴だった。


本邸内の使用人たちには俺が一人ずつ優しくO・HA・NA・SHI…をしたかったが、セイ兄を除く兄姉に手伝ってもらい、大丈夫な人員と駄目な人員を選別、後者を解雇とした。

解雇した使用人たちには俺が…と思っていたのだがセイ兄と理想郷アヴァロンに止められた。


兄姉の四人は改めて自己紹介をしてもらい初日から仲良くしてもらっている。セイ兄もこの四人がいなければ、きっと今まで耐えられなかったのではないだろうか…そう思えるほど優しさを感じた。

ちなみにだが、この一週間の食事時に義姉が同席している時は俺の定位置は義姉の膝の上である。偶にリクエストされ天使化して翼をモフられるられるのだが、その際は後頭部に理想郷を感じないので残念…とか思ってなどいない。…ホント。


セイ兄は別邸にいる時よりニコニコと笑顔が増えた。この一週間でこの本邸での生活が随分と変わったのだろう。

俺と一緒にいる時はほとんどが俺の隣にいたり、俺と手を繋いでいたり、とそれ事態は別邸の頃と変わらないのだが、まあセイ兄が嬉しそうなので良しとしよう。


レイラ母さん、レイナ、セバスさん、メイさんの別邸にいる四人には、本邸に来るように手紙で要請した。俺が手紙を書くのもなんなのでシーバスに代筆してもらってだけど…。

内容は簡単に言えば本格的に本邸に住みませんか、というような内容。準備もあるだろうから手紙には準備金を同封しておいた。

四人が来るのはもう少し後かな?


ゼハールト家現当主である父親にはシーバスから手紙を送ってもらった。

首都で働いておりあまり帰ってきていないようなのだが、現状の説明をするためである。

こちらは父親の仕事が一段落してからとのことなので後数日~一週間くらいで帰ってくるそうだ。


父が帰ってくることを兄姉に話すと喜ぶ顔が見れたので、父はどうやらまともらしいと推測。

長男長女にも帰ってくるように声を掛けようか聞いてみたら、苦虫を潰したような顔をしていたので、この二人を呼ぶことは止めておいた。

なるほど…次に警戒するのは長男長女か、と心に留めておく。


そして数日が経過し、一台の馬車が本邸の前に止まった。

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