第11話 ムシブロ【ASMR】/森島先輩の汗がポタポタと!
○スパ施設・サウナ内(昼)
#主人公とはるか、サウナの前までやって来る。
#はるかのセリフ、スパ施設の広い空間のいるので、反響して少し響くイメージ。
#SE 濡れた土間コンクリートの上を歩くぺたぺた的な音。
はるか
「サウナサウナ~♪ 早く入りましょ♪」
#SE ドアの開閉音
#主人公とはるか、サウナに入ってくる。
#サウナの室内はリラックスできるように薄暗くなっており、周りが見えにくい。
#SE シューッ……と蒸気をイメージできるサウナっぽい音があれば。
#SE サウナ内のすのこを踏む、木の板を踏む的な音。
#一組のカップルが先客で来ている。その向かい側に並んで座る主人公とはるか。
#SE 座る音
#はるか、周りの邪魔にならないように、主人公の耳元で小声でヒソヒソ話す。
#以降、サウナ内は音が反響しないので、はるかのセリフは響かないイメージ。
はるか
「先客がいるわね。向こうも恋人同士みたい。」
「私たちみたいにサウナ好きなのかも。」
「……キミはまだサウナの良さがわからないって顔ね?」
「そんな風にいられるのも今のうちよ?」
「きっと、キミもすぐサウナにハマっちゃうんだから」
「とにかく、まずは無理のない時間で……」
#はるか、何かに気づくと急に押し黙り、目線をすぐに逸らす。
はるか
「ねぇ、気づいた?」
「向こうの人たち、イチャイチャしだしたわ!」
「ほら、お互いの身体を触り合って……!」
「私たちのこと気づいてるはずなのに、なんであんなことまで……!?」
「サウナでああいうことするのは感心しないわね……。」
「……こうなったら、あっちの人たちと勝負するわよ!」
「《イチャつき勝負》? そんなわけないでしょ!」
「あっちが暑さにギブアップするまで、このままサウナに居座ってやるんだから!」
「《サウナの楽しみ方として、我慢比べは良くない》? それわかってる。」
「でもね、光のサウナカップルと闇のサウナカップルの、負けられない戦いなのよ!」
「あ、もちろんキミは無理しなくていいからね。」
「キツくなったらすぐに外に出て、冷たいシャワーを浴びること。いいわね?」
#時間経過。
#最初は、はるかの「ふぅ……ふぅ……」という息遣いが片方の耳元で聞こえてくる。
#その息遣いが、「はぁ……はぁ……」次第に荒くなってくる。
#SE 汗や水滴を拭うピシャっという音
はるか
「はぁ……はぁ……キミは……大丈夫……?」
「私は……ふぅ……まだまだ……はぁ……はぁ……いけるわ……。」
「サウナファンの想いを……見せてあげる……!」
#向かいのカップル、遂に耐えきれなくなったのか、足早にサウナの外に出ていく。
#SE ドタドタと騒がしい足音。
#SE サウナのドアが開き、閉まる音。
はるか
「や、やったわ……!」
「私のサウナを愛する心が勝ったのよ!」
「一緒に頑張って付き合ってくれてありがとね♪」
「隣りにいてくれて、嬉しかったわ」
#SEはるか、主人公の頬に掌をピトッと当てて撫でる。
はるか
「ところで……私もさすがにそろそろ限界みたい……。」
「外に出て、汗を流しましょう……!」
《第12話へ続く》
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