第2話 オサソイ/薫がバイトに誘ってきたぞ
○輝日東高校・校内・教室(昼)
#主人公、薫の声でハッと妄想から現実に引き戻される。
薫
「やっとこっち見たわね……。」
「アンタ、あたしの話をテキトーに聞き流すなんて」
「なかなかいい度胸してるじゃない?」
「《ちょっと考え事してた》だぁ?」
「はぁ……いったいどんなこと考えてたのよ。」
「こっちを無視して、ずーっとニヤニヤしてさ。」
「あーあー、別に説明しなくたっていいから。だいたい想像はつくし。」
「どうせ森島先輩のことでしょ? ラブラブそうで何よりよ。」
「でも、今はこっちの話に集中してくれる?」
「こっちも割と真剣に困ってるんだから。」
「《何を悩んでるの》、って……そこから話聞いてなかったの!?」
「まったくもう……だから、アルバイトよアルバイト!」
「今度の土日から働ける、臨時バイトを探してるの!」
「あたしのバイト先のファミレスで募集し始めたんだけど」
「なかなか人が集まらなくてさ~。」
「アンタヒマそうにしてたし、よければどうかなって思ったわけ。」
「まぁファミレスのバイトって言っても」
「フロアとかキッチンに入るわけじゃないの。」
「うちのファミレス、今度タネウマクンとコラボすることになってさ」
「クリスマス限定のタネウマクン着ぐるみまで作っちゃったのよ。」
「臨時バイトには、その着ぐるみを着てチラシ配りをしてもらいたいんだってさ。」
「正直大変な仕事だと思うし、無理にとは言わないけど……どう?」
「アンタ、やってみる気ない?」
「……え、いいの? 《ちょうどバイトしたかったところだから》?」
「へぇ……誘っといてなんだけど、ここまであっさりOKもらえるとはね。」
「ちょっと意外。」
「実を言うと、バイトなんてめんどくさいって断られるのも覚悟してたんだよね」
「どういう風の吹き回しなんだか」
「……あ~! もしかして、クリスマスのデート代を稼ぎたいとか?」
「ふっふっふ、その顔は図星みたいね。」
「あ~あ~、この子ったら色気づいちゃって。」
「なによ、顔真っ赤にして否定してる時点で、答え言ってるようなもんでしょ?」
「はいはい、これ以上は突っつかないであげるわよ。」
「あたしだって野暮なことする気ないしね♪」
「え? 《そんなことよりもっとバイトの情報がほしい》?」
「そう言われてもなー。詳しいことは直接現場で説明したいし……。」
「あ、そういやアンタが着るクリスマス仕様のタネウマクンなんだけどさ」
「けっこうスゴいことになってるわよ。」
「期待通りっていうか、期待以上のぶっ飛びかたっていうか……まぁ期待してて♪」
「特に、股の間から生えてるツリーが……」
「おっと、これ以上は実物を見るまで秘密ね!」
「ま、とにかくテンキュね!」
《第3話へ続く》
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