NO.4百瀬瑠璃
俺は葉月瑠璃が帰ったあと俺も帰路に着いた。本当に俺の彼女候補はろくでもないないやつしかいないな。そう思っていると目の前に小学生ぐらいの身長の女の子が野良猫と戯れていた。
「……ニャ。」
あれは、一年の百瀬瑠璃だ。誰も見ていないと思って、独り言が出てしまっている。かわいい。
すると、高校生の四人組が百瀬に話しかけに行っていた。
「ねぇ、君は高校生?ほんとにかわいいね。もし良かったらカラオケでも行かない?」
本当にこんなテンプレのナンパあるんだな。
「………。」
百瀬は困ったような顔して、黙ってしまっている。
だが、そんな様子も気にせず四人は詰め寄っている。
「なんにも言わないってことは大丈夫ってことだよね。」
「………。」
やっぱり、いやがってはいるのだが、言葉に出来ていない。クソ、百瀬のクラスメイトさえいれば、ボコボコにしてくれるのに。俺がやるしかないのか。
「はー。生きのいい高校生はいないかな?かわいい人がいたら、お近づきになりたいな。
」
自分でも虫唾が走りそうなセリフを口にしている。
「あっ、あんなところ高校生が。お近づきになりたいな!」
「……。」
「……。」
俺は猛然とそのグループに近づいていった。
「そこの四人、私と、」
「あっ、俺用事があるんだった。」
他の四人も続く。
「本当にすいません。失礼させていだきます。」
四人は、自分の貞操の危機を感じたのか、殺人鬼に追いかけられているみたいに必死に逃げて行った。男気がない奴らだ。
「……。」
百瀬はずっとうつむいて黙ったままだ。さすがにあんなものを見たらああなってしまうだろう。
「大丈夫だった?」
彼女は小さく頷く。
「そうか。それは良かった。気を付けて帰ってね。」
俺が帰ろうとしていると、
「……ありがとう。」
振り返ると小さく微笑みながら、彼女は俺に向けていった。そして彼女はてくてくと走り去っていた。
俺は胸がポカポカしながら俺も帰っていた。でも彼女にするには、ちょっと会話ができなさすぎだよな。
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