NO.2氷上麗
先輩にクリーンヒットを受けた俺はその10分後に目を覚まし、帰路に着いたのだっ。
「お帰りお兄ちゃん。ってあれそのほっぺたどうしたの!?」
そんなことを俺に聞いてくるやつは妹の鈴木弥生。中学生3年生だ。明るい性格で俺とは違いクラスの中心にいて、結構モテるらしい。確かに贔屓目なしでもかわいいとは思う。でもいつもわざわざいつ告白されたなどと俺にに上から目線で報告してくる。別に、俺は羨ましいとか思ってないよ。うん。
「通りすがりの力士に張り手つかれた。」
「ふーん。そんな冗談はいいから、ホントのことは?」
「例えば、振られたとか?正解でしょ。」
「それは違う。俺は幸せために犠牲を払っただけだ。なんの後悔していない。」
俺は自信たっぷりとそう答えた。
「よく分からないけど、いつも通りキモいね。心配して損しちゃった。」
そんなことを言われる兄というのは、世間では普通なのだろうか。結構傷ついた。
次の日の昼休み俺は彼女候補の調査を続けていると、校舎の裏のところになぜか氷上麗が立っていているところを見つけた。周囲を見ると地面が濡れた跡をみつけた。また、誰か失敗して漏らしちゃったのか。これで何人目だろう。その時、
「また、やっちゃったよ。どうしたらいいの。」
誰かの声がした。俺は誰が言ってるのか分からず、周囲を見渡す。だが、氷上麗しかいない。まさか、あいつが。
「私もこの威圧感をどうにかしなくちゃいけないけど、告白してくる相手の前で漏らすっていうのはどういうことよ。信じられない。」
確かに氷上からしては当然のことだろう。だが、そんなことを考えているとは思っておらず、俺は笑いを堪えることが出来なかった。
「氷上の言うことは、最もだな。確かに前で漏らされるのは、信じられないよな。」
「笑うな!あなた見ていたの?確か鈴木雅人よね。同じ二年の。」
氷上まで、どうして俺の名前を知っているのだろうか。
「なぜ俺の名前を?」
「だってあなた、先生に(以下略)。」
こいつにまで知られていたとは。結構恥ずい。
「雅人、私のこと誰かに話したりしないよね。」
「話さなかったら、胸揉ませてくれる?」
「そんなことさせるか!死ね。すぐ死ね。」
「いや、対価は必要でしょ。コンビニでパン買って、お金払わないの氷上は。」
「それは、払うけど。これとは別でしょどう考えても!」
顔を真っ赤にして言う彼女。すると、俺の胸元を掴み背負い投げをしてきた。こんなこと昨日もあったよなと思いながら、意識がまた遠のいてくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます