No.1白鳥すい

俺は一人目の白鳥すいを調査するために、放課後の3年生のフロアに来ていた。彼女は放課後教室で本を読んでいるらしい。 

 彼女のいる教室のドアの前に来ていた。今日はあくまでも調査なのでバレないようにしたくてはならない。やはり、今日もご多分に漏れず本を読んでいた。すると突然、

「ハァ……。」

彼女がため息をついていた。

なにか本の内容で気に障ることでもあったのだろうかと本の中身をじっと見つめていると、

【縛り方のススメ〜恋は刺激も大切〜】

というタイトルの本を読んでいたのだった。

思いもよらないことが起きたので、誤って自前のメモ帳を落としてしまった。

「誰かいるの……?」

彼女が焦って本を閉じ、ドアから出てきた。

「あなたは鈴木雅人くんね?」 

「なんで俺の名前を知っているですか?」

俺の名前をなぜ知っているのだろうか。

「それはあなたが有名だからよ。雅人くん。」

「だってあなた、部活を断るときに『彼女作る調査があるから』って先生に言ってるって噂になっていたのよ」

知らなかった。まさか学校中に知れ渡っていたとは。ずっと色んな人と会うたびに変な目で見られていたのは、そのせいだったか。

「雅人くんは私のさっきの本のタイトル見た?」

睨んでくる先輩。

「見てません!」

少し声が裏返ってしまった。

「見たのね。仕方ないわ。それよりあなたここにいるってことは私を調査しているってことよね?」

先輩が俺の顔を覗きんでくる。

「そうです。」

「ふーん。あなたに提案があるのだけど、」

「なんですか?」

「あなたがあのことを黙ってくれるならいいことしてあげるわ。」

そんなこと言われたらすごく期待してしまう。

「具体的にはどんなことを?」

「胸を揉ませてあげるわ。それは冗談として、」

「分かりました。」 

迷わず俺は手を伸ばし、触れるとそこには幸せな世界が広がっていた。俺、もう死んでもいい。

「あっ、ちょっとなにししてるのよ変態!」

これも迷わず答える。

「先輩に許可をもらったのでテイスティングをしていました。」

「ほんとになにしているのよ!」

先輩が俺の頬をビンタした。

「最高でした。先輩の」

「そんなことをさせるつもりはなかったのに。」

先輩は涙目になっていた。かわいい。

「先輩俺知ってます。これは先輩はツンデレっていうんですよね。これからはツンデレ先輩って言いますね。」

「何がツンデレ先輩よ!」

続けてビンタしてくる。それが顎に直撃して俺の意識が朦朧し、そんななか先輩が教室から出ていくのを見て意識が飛んだ。

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