No.0残念ヒロインズ

 俺の名前は鈴木雅人。今とある調査をしている真っ最中だ。一度きりの高校生生活と彼女とイチャイチャするために俺は中学生時代をすべて自分磨きに費やした。そして高校2年生になった5月にその調査が最終段階になったのである。別にいもって告白をしたくないから予定が伸びたとかそういうわけではないと思う。俺の彼女候補は四人いる。

 一人目は3年生の白鳥すい。名前からして想像できると思うが、透明感抜群の肌でプロポーションも素晴らしい。上品な雰囲気で、学校中の男から告白されているのに、誰とも付き合わないという謎な人だ。そのことが少し怖くて調査を続けている一つの原因だ。

 二人目は俺と同じ学年の氷上麗。この人はとてつもなく美人なのにとにかく威圧感がすごい。そのせいでみんな近寄りがたくなっており、ボッチになっている。本人は気にしていなさそうだが実際のところどうなのだろうか。告白しようとする男子はみんな彼女の前で動けなくってチビってしまうそうだ。なんとも情けない。俺ならきっとしないたぶん。

 三人目は一年の葉月陽向。こいつは学校でとにかくバカだと有名である。この高校には全国一位の体力テストによる推薦で入ったのだが、どの部活のルールを覚えられないから、厄介払いされたとか。ちなみに俺は生徒全員強制部活入りの中、先生に彼女の調査に忙しいと断ってきたが、その度に先生たちに引かれていた。俺でも傷つくんだよ。そんなことより、陽向はバカだが、太陽のような笑顔と天真爛漫な性格で、結構男子からは人気が高い。

 四人目は同じく一年の百瀬瑠璃。身長がとても小さくて、本当に高校生なのかと疑うほどだ。そんな彼女はとても大人しくクラスの自己紹介のときも立ってからずっと顔赤らめて口をパクパクさせていたらしい。流石に可哀想に思った担任が座らしたそうだが、みんなそこで、この子を守らなくてはと決意したそうだ。そんな彼女も告白をされたそうだが返事をできないままずっと涙目で口をパクパクしており、通りかかった同じクラスの人が相手をボコボコしたらしい。俺はそんな子を、彼女にできるのだろうか。 

 

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