第8話 驚愕の事実と、赤崎への怒り
お母さんが席を外して、リビングで三人とも
何だろう?
付き合いました、っていう雰囲気じゃないし。
けど、告白がうまくいかなかったのに一緒に行動するのって変じゃない?
赤崎と美優は今日初めて、直接話したはずだ。
わからなすぎて怖い。
一体何なの?!
誰か教えてよ!
●
「……本当は、ね。赤崎君の話を聞いた時に『絶対に心をひっぱたいてやる!』って思ってた」
先に話し始めたのは、美優だった。
「でも、その泣いた
どうして、美優にひっぱたかれなきゃいけないんだろ?
何がどうなってるのか、本当にわからない。
赤崎と美優、屋上で何の話をしたのよ!
「詳しい事は、赤崎君から聞いて?あと、心……よかったら、これからも友達でいてね?また、明日」
「う、うん」
私は、必死に答える。
赤崎が美優の顔を見て、言った。
「戸倉さん……ごめんな」
「……!!……いいよ、多分どうしようもなかったよ。それに心の顔見たら、わかった。全部、納得できた」
鼻をすすった美優がそんな言葉を残して立ち上がる。
私は何一つ納得も理解もしていない。
けど。
美優の
「あら、もう帰るの?」
「はい!お邪魔しました!」
美優がお母さんに元気よく
●
美優を見送った後、ずっと黙ったままだった赤崎がやっと話し始める。
「
赤崎はジト目で私を
私は言葉が出ない。
「部活の後で屋上に行ったら、戸倉さんに告白された」
(……来た)
私は覚悟を決めて、喉から声を絞り出す。
「……うん」
「好きな人がいるからって断った」
「………………はあ?」
赤崎の発言に、自分でも驚くくらいの大声が出た。
お母さんが、何事?とキッチンから覗いてくるのを、両手を突き出して止める。
ああ、それを私が知らないはずがないと思って、美優は怒ってたのか。それは怒るよ。
私の事、全力で引っぱたいてもおかしくないよ。
「だったら、好きな人がいるって話してくれてたらよかったのに。初耳だよ」
今度はこちらから赤崎をジト目で
だけど赤崎は
「神崎に?……それ、本気で言ってるのか?」
赤崎の返答に、息が詰まった。
顔が真っ赤になっていくのが、わかる。
ああ、そう。
そうだったんだ。
私と赤崎の距離、恥ずかしいくらい勘違いしてた。
私は赤崎にとって、その程度だったんだ。
気になる、とか好きな女子の事ひとつも教えらんないような、そんな関係でしかなかったんだ……!!
悔しさと悲しさと怒りで、視界が歪む。
目の周りのヒリヒリが、よけいに怒りを倍増させる。
「もう、わかった。よーくわかった。赤崎にとっての私が、どれだけどーでもいい存在だったか、ものすっごい理解できたよ……!!」
直した言葉遣いなんか、ぶん投げてやらぁ!
私は拳を握りしめて、涙も拭かずに立ち上がった。
そんな私に、赤崎は慌てだす。
「な?!お、おい!神崎!何怒ってんだ?そんな事ひとっ
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